ランニングにおける筋肉痛の原因って何?

ランニングの後には、しばしば筋肉痛が生じますが、そもそもなぜ筋肉痛は起こるのでしょうか?
ランニングにおける筋肉痛の原因は、筋力不足やランニング環境、フォームにあることが多いです。
それぞれの原因について詳しく見ていきましょう!
- 筋力不足
- 環境が悪い
- 間違ったフォームで走っている
筋力不足
まず、筋肉痛が生じる最も大きな原因の一つが、筋力不足です。
筋力トレーニングで、筋肉に強い刺激を与えると、筋肉が炎症を起こして筋肉痛が生じますが、ランニングでも同様のことが起こっています。
筋トレなどの無酸素運動とランニングなどの有酸素運動では、鍛えている筋肉の種類が違いますが、強い刺激を与えることで、筋肉が強くなっていくという点では同じです。
自分の筋力に比べて、高い強度の運動を行うことで、筋肉はダメージを受けて成長していきますが、高い強度の運動は、筋繊維を破壊し、炎症を起こすので、筋肉痛が生じるのです。
地面の環境が悪い
地面の環境が悪いことも、筋肉痛を引き起こす原因となります。
ランニングにおいて、最も筋肉が使われるのは、着地と蹴り出しの際です。
土や芝生の上ではなく、アスファルトやコンクリートなど固い地面の上でランニングをすると、地面が衝撃を吸収してくれません。
すると、着地の際の衝撃が大きくなり、筋肉に大きな負担がかかってしまいます。
そして、その負担が筋肉の炎症に繋がり、筋肉痛を引き起こすのです。
また、土や芝生であればいいというわけではなく、凹凸が多いなど不安定な環境でも、足への負担が大きくなるので、筋肉痛は生じやすくなります。
間違ったフォームで走っている
間違ったフォームで走っていることも、筋肉痛の主な原因の一つです。
間違ったフォームでランニングを続けてしまうと、身体に偏った負荷がかかります。
例えば、前に足を出そうとする意識が強すぎるあまり、前傾姿勢になっていたり腰が落ちたりしていると、太ももの前側の筋肉である大腿四頭筋の筋肉痛が生じやすくなります。
また、重心を下げたまま走る癖がついているランナーは、膝が下がったり腰が反ったりして、腰に大きな負担がかかるので、腰回りの筋肉を痛めやすい傾向があります。
ランニング後に筋肉痛になりやすい部位とは?回復方法も紹介

ランニング後には、全身が筋肉痛になるというよりも、ある程度決まった部位が筋肉痛になる方が多いでしょう。
この章では、ランニング後に筋肉痛になりやすい部位について解説していきます。さらに、回復方法も合わせて紹介します。
主な3つの部位を解説します。
ふくらはぎ
筋肉痛のメカニズム
ふくらはぎは、ランニングで最も筋肉痛になりやすい部位の一つです。
ふくらはぎの筋肉は、下腿三頭筋と呼ばれており、細かく分けると、2つの腓腹筋(腓腹筋内側頭・腓腹筋外側頭)とヒラメ筋に分けられます。
腓腹筋は、膝関節と連動して動いているため、つま先を上げる際に使う筋肉で、ヒラメ筋は、足首を動かす際に使われるため、両方ともランニングにおいて非常に重要な筋肉です。
ランニングをすれば、必ず使う筋肉であるため、間違ったフォームというより、筋力不足が原因で、筋肉痛が生じることが多いです。
回復法
ふくらはぎの筋肉が筋肉痛になった場合の回復法は、ストレッチやアイシング、交代浴などが効果的です。
筋肉痛は、筋肉が炎症を起こし痛みに繋がっていることが多いです。
炎症を起こすと、患部は熱を持つので、アイシングによって冷やしてあげることで、痛みが軽減されます。
そして、お湯と水風呂に交互に浸かる交代浴もおすすめです。
冷やすことと温めることを交互に繰り返すことで、血流が促進されるので、筋肉の回復が早まります。
また、ストレッチは、ランニングの後に必ず行うようにしましょう。
あぐらをかいて床に座り、片ひざを立てて、ふくらはぎを両手で包み込むようにして、さすっていきます。
毎回のランニング後に、30-40回を両足必ず行うようにしましょう。
太もも
筋肉痛のメカニズム
太ももは、前側の筋肉を大腿四頭筋、裏側の筋肉をハムストリングと言いますが、両方ともランニングで筋肉痛になりやすい部位です。
大腿四頭筋は、前かがみで走る癖がついていたり、腰が落ちたフォームで走っていると、痛くなる部位です。
そのため、大腿四頭筋が痛む場合は、フォームの見直しを考える必要があります。
一方、ハムストリングは、お尻の大臀筋と連動して働くため、大臀筋の筋力不足を原因に筋肉痛が生じます。
ですので、ハムストリングが痛む場合は、フォームの心配をする必要はありません。
回復法
太ももは、マッサージやストレッチを行うことで、筋肉痛が和らぎます。
ここでは、大腿四頭筋とハムストリングそれぞれのストレッチ方法を紹介します。
まず、大腿四頭筋のストレッチを紹介しましょう。
- 床にうつ伏せになって、両手をあごの下に置きます。
- 左足のかかとをお尻に近づけ、左手で左足を持ちます。
- 足の甲を掴んで、身体に引き寄せて太ももの前側を伸ばしていきます。
- 30秒キープし、右足も同様に行います。
次に、ハムストリングのストレッチです。
- 足を軽く前後に開いて立ちます。
- 前足の付け根に両手を添え、つま先を浮かします。
- 胸を張りお尻を引いて、裏ももを伸ばしていきます。
- 30秒キープし、右足も同様に行います。
お尻
筋肉痛のメカニズム
お尻の筋肉も、ランニングで筋肉痛になりやすい部位です。
お尻の筋肉は、具体的には大臀筋や中臀筋、小臀筋などがあります。
大臀筋は、足を後ろに動かす時や蹴り出しの時に使われる筋肉で、中臀筋は股関節と連動して働くため、両方ともランニングの動作に欠かせない作用を持つ筋肉です。
お尻が筋肉痛になる場合、骨盤が歪んでいる恐れがあります。
骨盤が歪んでいる場合、下半身全体にかかる負担が増大してしまうので、腰回りのインナーマッスルを鍛えるなどして、骨盤の歪みを矯正する必要があります。
回復法
お尻の筋肉をほぐして、筋肉痛からの回復を早めるためには、筋肉の柔軟性を高めるマッサージや、血流を促進する交代浴などがおすすめです。
もちろん、ストレッチも効果的な回復方法なので、ランニングの際によく使われる大臀筋と中臀筋のストレッチを紹介していきます。
大臀筋のストレッチ法
- 床に座り、右膝を曲げて、脚の外側を床につけます。
- 両手を床につき、骨盤を立てながら左脚を後ろに伸ばします。
- 重心が左右にブレないよう注意しながら、前方に体重をかけていきます。
- お尻の右の筋肉を伸ばしながら30秒キープし、逆足でも同様に繰り返します。
中臀筋のストレッチ法
- 床に仰向けになります。
- 左脚を曲げて右側に倒します。このときに、肩とお尻の右側が浮かないようにします。
- 右手で左の膝を押し、お尻の左側の筋肉を伸ばしていきます。
- その体勢を30秒キープし、逆足でも同様に繰り返します。
こんな部位が筋肉痛になることも

ランニング後の筋肉痛は、ふくらはぎや太もも、お尻に生じることが多いですが、他の部位が筋肉痛になることもあります。
この章では、スネ・お腹・背中というランニングで筋肉痛になることもある部位に関して、筋肉痛が生じるメカニズムや回復法を紹介していきます。
すね
筋肉痛のメカニズム
スネが痛む場合は、筋肉痛というよりスポーツ障害である可能性が高いです。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、シンスプリントというスネの内側が痛むスポーツ障害に悩まされているランナーは、非常に多くいます。
ランニングが原因で、スネが痛む場合、ほとんどがスネの内側、下3分の1あたりの箇所に痛みが生じます。
これは、シンスプリントの特徴です。
シンスプリントの原因のほとんどは、フォームや筋力不足ではなく、オーバーユース(酷使)なので、休息やストレッチなどが効果的な対処法になります。
回復法
スネが痛む場合、炎症を起こして熱を持っているので、まず患部をアイシングしましょう。
痛みを感じるスネの内側、下3分の1あたりを中心に20分程度アイシングします。
そして、ランニングの量を減らすことも大切です。
原因がオーバーユースである以上、トレーニング量を維持したまま治すことは難しいので、頻度を落としたり距離を短くするなど、ランニングの強度を下げましょう。
最後に、スネのストレッチ方法を紹介します。
- 両足をしっかり地面につけて、直立します。このときに、バランスを取るため、壁に手をついても構いません。
- つま先をゆっくりと持ち上げていきます。
- 限界まで上げたら、ゆっくりと下ろします。
- この動作を30回繰り返します。
腹筋
筋肉痛のメカニズム
ランニングでは、腹筋が筋肉痛になることもあります。
腹部に筋肉痛が生じることは、間違ったフォームというより、筋力不足に原因があります。
ランニングは、下半身を中心とした全身運動です。
その証拠に、主に動くのは足ですが、必ず手も連動して動いてしまいますよね。
手を振ることによって、腕から肩や胸、お腹と背中、腰から太ももやふくらはぎ、そして足へと力を伝えることができます。
このように、ランニングという動作は、さまざまな筋肉が動員されており、腹筋も例外ではありません。
そのため、腹筋の筋力が足りていないと、腹部に筋肉痛が生じるのです。
回復法
腹筋が筋肉痛になってしまった場合は、お腹のストレッチも重点的に行いましょう。
そして、筋力不足が主な原因であるため、予防法として筋トレを行うこともおすすめです。
また、筋肉の成長を促進するため、筋肉の原料となるプロテインの補給や、タンパク質の吸収を促進してくれるビタミンの摂取など、栄養補給も行うと、より効果が高まります。
最後に、腹部正面の腹直筋と、脇腹部分にある腹斜筋のストレッチを紹介します。
腹直筋のストレッチ
- 床に正座します。
- 上体を前に倒していき、手を床につきます。手の間隔は、肩幅よりも少し広めに取りましょう。
- 手の平と膝を床につけたまま、上体を浮かせていきます。
- 腹部全体を伸ばすように、弓形の体勢を取り、30秒キープします。
腹斜筋のストレッチ
- 床にあぐらをかきます。背筋は伸ばしましょう。
- 右腕を上げ、身体を左に倒していきます。
- 左の前腕は床につけ、右の脇腹を伸ばします。
- 限界まで伸ばしたら、元の体勢に戻します。
- この動作を左右5回ずつ繰り返します。
背中
筋肉痛のメカニズム
背中には、下部にある広背筋と背骨に沿って走っている脊柱起立筋という筋肉があります。
広背筋が筋肉痛になる場合は、筋力不足が原因なので問題はありませんが、背中の上部が痛むなど、脊柱起立筋に痛みを感じる場合は、フォームに問題がある可能性が高いです。
脊柱起立筋というのは、背骨をまっすぐに保っている筋肉です。
その筋肉が筋肉痛になるということは、背骨に大きな負荷がかかっている証拠でもあります。
猫背のまま走っているなど、姿勢が悪いことを原因に痛みが発生するので、フォームを見直す必要があるでしょう。
回復法
背中に筋肉痛が生じる場合、筋肉の柔軟性を高める必要があるので、ストレッチやマッサージを行いましょう。
お風呂に入った後に行えば、より効果的に柔軟性を高めることができます。
最後に、背中の筋肉をほぐすためのストレッチ方法を紹介します。
猫のポーズ
- 誰でも簡単に、手軽に行える背中のストレッチです。
- 床に四つん這いになります。
- 息を吐きながら、背中を丸めていきます。
- 5秒キープしたら、息を吸いながら背中を反らしていきます。
- 限界まで反らしたら5秒キープします。
- ②〜④を5回繰り返します。
肩甲骨周辺をほぐすストレッチ
背中の上部をほぐすストレッチです。
- 床に四つん這いになります。
- 手を前方のなるべく遠い位置に置きます。
- 胸をできるだけ床に近づけ、30秒キープします。
筋肉痛があってもランニングはOK!ただし注意点も

筋肉痛がある場合、ランニングをせずに休息を取る方も多いですが、軽めのランニングであれば、むしろ筋肉痛の軽減に効果的です。
筋肉痛や疲れがある中でも、身体を完全に休めることはせず、軽めの運動をすることを「積極的休養」と言います。
筋肉痛があるからといって、全く身体を動かさない「消極的休養」よりも、軽めの運動をする「積極的休養」のほうが、血行が促進されるので、筋肉痛や疲労が和らぐ効果があります。
ですので、筋肉痛があるからといって、ランニングを行わないのではなく、いつもより軽めのランニングを行うようにしましょう。
しかし、スピードを遅くしたり距離を短くするなど、必ず軽めの運動にとどめることが重要です。
過度に運動をしてしまうと、筋肉の炎症に拍車がかかり、痛みが酷くなる恐れがあります。
筋肉痛・疲労軽減にはインソールがおすすめ!

筋肉痛や疲労軽減のために、インソールを使うことも効果的です。
インソールとは、靴に挿入する中敷きのことで、現在ではランニング用を含むさまざまな種類のインソールが販売されています。
ランニングインソールを使うことで、筋肉痛や疲労が大幅に軽減されることもあります。
例えば、近所に適当なランニングコースがなく、どうしてもアスファルトやコンクリート上を走ることになってしまう方には、クッション性に優れたインソールがおすすめです。
着地の際の衝撃を大幅に緩和してくれるので、疲労の軽減に効果を発揮してくれます。
また、アーチサポートが強化されたインソールもおすすめです。
土踏まずの衝撃吸収の働きが弱い扁平足の方は、筋肉痛や疲労も大きくなってしまいがちです。
しかし、アーチサポートが強化されたインソールであれば、土踏まずの働きをサポートしてくれるので、筋肉痛や疲労を大きく軽減してくれます。
まとめ
最後に、記事の内容をおさらいしていきましょう!
- ランニング後の筋肉痛は、主に筋力不足やランニング環境、間違ったフォームによって引き起こされる。
- ランニングをきっかけに筋肉痛が生じる場合、ふくらはぎや太もも、お尻に生じることが多い。しかし、スネやお腹、背中に生じることもある。
- 筋肉痛が生じた場合は、ストレッチやマッサージで患部をほぐしたり、交代浴や軽めの運動で全身の血流を促進することが、回復に効果的である。