寝返りのしやすさや寝ている姿勢に大きな影響を与える枕は睡眠中の腰痛対策としても効果を発揮します。
しかし誤った基準で枕を選んでいると、腰痛の要因にもなり得る点に注意が必要です。枕の高さや硬さ、広さといった点が腰痛と深くかかわってきます。
こちらの記事では腰痛の予防や軽減に効果的とされている枕の特徴を紹介するので、枕選びの際に役立ててください。
さらに、背中に敷くタイプの枕である腰枕や、枕を使わずに快眠できる条件についても解説します。
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監修者:安田 智彦
理学療法士/スポーツシューフィッター
都内整形外科クリニックで理学療法士として従事。一般整形疾患からスポーツ選手のリハビリを担当。
理学療法士として働く傍ら全国クラブラグビー選手権優勝多数の名目「神奈川タマリバクラブ」のトレーナー、東京かけっこクラブコーチを努める。
腰痛といえば、長い時間同じ姿勢を取るデスクワークや猫背、運動不足が原因という話を耳にした人も多いことでしょう。
確かにデスクワークや猫背は腰痛の原因になり得ますが、腰痛を引き起こすのはそれだけではありません。実は毎晩使用している枕もまた、腰痛を招く要因のひとつです。
枕は後頭部に置く寝具であり、寝ている最中の頭の高さは背骨にかかる圧力を左右します。
つまり枕が合っていないと睡眠の間ずっと腰に負担をかけることになり、背骨の歪みや腰痛を引き起こすというわけです。
枕が腰痛の原因になり得るということは枕を見直せば腰痛を改善できることを意味します。
起床したときに腰が重い、腰の痛みで睡眠から目覚めてしまう人は枕を見直してみましょう。
人間が睡眠中に行う寝返りは腰への負担を和らげる効果があるとされています。
反対に寝返りが上手く打てない人は腰に負荷がかかり、腰痛を招きやすいのです。
枕が柔らかい素材や低反発の素材という人は寝返りを打ちにくい枕であることを自覚しましょう。
寝返りによって腰痛を予防、改善するためには少し硬い素材の枕に変えるのが効果的です。
ラテックスや蕎麦殻を用いた枕は比較的硬く、寝返りを上手く打てない人に適した枕といえます。
ラテックスの枕は通気性の高さや寝汗をすぐに乾かしてくれる使い心地の良さが特徴です。
耐久性に優れているのもラテックス枕の魅力といえます。蕎麦殻枕は頭が沈み込みにくく、後頭部が蒸れにくい特徴を備えた枕です。
寝ている最中の腰への負担を軽減するには安定して寝返りを打てる環境を整えることが重要です。枕は寝返りを打ちやすくするための道具としても機能します。ここで注目したいのが枕の幅です。
枕の幅が狭い場合、寝返りを繰り返すうちに頭が枕から落ちてしまうことがあります。枕から頭が落下してしまうと、横向きの体勢での睡眠が持続するケースが多く、人によっては腰への負担が増加してしまう可能性もあるでしょう。
枕から頭が落ちないようにするには幅の広い枕を選ぶようにします。寝返りを打った後にも鼻と喉、へそが一直線に結ばれる体勢を維持できる枕が理想です。具体的な目安としては、頭の幅が3つ分の枕を試してみてください。
これよりも狭い枕で寝ていると、寝返りを打ったときに枕から頭が落ちてしまう確率が高まります。
硬さや面積の広さだけでなく、枕の高さも腰痛の予防や改善において重要な意味を持ちます。
腰痛の人は腰を痛めにくい枕の高さを覚えておきましょう。体型や体格は人によって異なるため、具体的に何センチの高さが良いと数字を出すことは困難です。
ただし、枕を頭に敷いたときの目線の向き方で、理想の高さを判断することができます。
枕を挟んで仰向けに寝たとき、視線がやや下に向いた状態が理想の寝姿です。
頭の下にタオルを重ねて理想の高さを計測したうえで、枕を購入しましょう。
人体をよく見てみると、背骨がS字のカーブを描いていることがわかります。
そのため仰向けになると、腰と床が完全に密着することなく隙間が生まれてしまうわけです。
この隙間が大きいと、お尻や腰といった部位に身体の重みが集まり、腰痛を引き起こすことがあります。
腰枕とは背中と床の隙間に挟み込むシート状のクッションです。厚さは通常3~4センチとなっており、これを背中に敷いて寝ることで背面の圧力を分散させると同時に、腰痛を予防する効果が期待できます。
腰と床の隙間が大きく、寝返りが上手く打てない環境で寝ている人は二重の原因で腰痛を引き起こしていることになるのです。寝ている最中の腰痛を解消したいなら、腰枕を挟みながら自分に合った枕で寝てみましょう。
腰枕は腰痛の予防や改善の効果を持つ一方で、誤った使用による腰痛の悪化を招く可能性がある点に注意しましょう。
そもそも腰枕を用いるのは背骨のS字カーブによって生まれる隙間を埋めることが目的です。
しかし、適切な厚みの腰枕を使用しないとS字カーブ以上の反りを背骨に与えてしまうことがあります。
背骨を過度に反ることもまた、腰痛を引き起こす原因のひとつです。この現象は腰枕が厚過ぎると発生しやすくなるため、腰枕の厚みに注意を払うことが大切です。
腰枕は市販品を購入することもできますが、バスタオルで自作することも可能です。腰枕を購入する前に、バスタオル腰枕で使い心地を試してみるのもひとつの手段といえます。
バスタオル腰枕は仰向けに寝たときにできた背中と床の隙間をタオルで埋めながら高さを調節できるのがメリットです。
腰の下だけでなく、お尻や背中にもタオルを敷くことで背中のS字カーブが大きくなり過ぎないように調整しましょう。
ただし、腰の下にタオルを置くこと自体に違和感がある人や、腰枕のせいで寝返りが打てないという人は、腰枕が体質に合っていない可能性があります。
あえて枕を使わずに寝ることで快適な睡眠を確保できる人もいます。起きたときに腰が痛むことなく、スッキリと目覚められるなら、枕を使う必要はありません。
ただし、枕なしでの快眠に至るには条件があることを覚えておきましょう。
枕を使うことなく心地良い睡眠を確保するにはマットレスが柔らかいことが条件として挙げられます。
柔らかいマットレスは身体全体がバランスよく沈み込むため、腰に負担がかからない寝姿を維持できることが理由です。
また、後頭部が比較的平らであることも枕なしでの快眠を手に入れる条件といえます。後頭部が丸いと一点に圧力がかかりやすく、快適に寝ることは困難です。
体質的に寝返りが少ないことも条件に数えられます。ただし、このような条件を備えている人は稀であり、枕を用いた腰痛の改善の方が現実的です。
枕と腰痛の関係を解説した今回の記事を以下の3点にまとめてみました。
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