ランニングで起こる腰痛の原因と対処法、予防法を詳しく解説!

ランニングで起こる腰痛の原因と対処法、予防法を詳しく解説!

2020年05月06日

ランニングの最中に腰が痛くなってしまう人は日常生活やランニングへの取り組みの中に腰痛を引き起こす原因があることを知っておきましょう。

慢性的な腰痛を抱えている人はランニングの際にも腰が痛くなりやすい傾向にあります。

 

こちらの記事で紹介するのはランニング時に見られる腰痛の原因や対処法です。

日頃から取り組みたい予防策についても解説していくので、腰痛の悩まされることなくランニングを楽しみたい人は参考にしてみてください。

 

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監修者:安田 智彦

理学療法士/スポーツシューフィッター


都内整形外科クリニックで理学療法士として従事。一般整形疾患からスポーツ選手のリハビリを担当。

理学療法士として働く傍ら全国クラブラグビー選手権優勝多数の名目「神奈川タマリバクラブ」のトレーナー、東京かけっこクラブコーチを努める。

ランニングで起こる腰痛の原因

 

ランニングは脂肪燃焼や心肺機能の向上といったメリットがある運動ですが、やり方によっては腰痛の原因になることがあります。

 

ダイエットや運動不足解消のためランニングに取り組もうと思っている人は腰痛の原因に留意しておきましょう。

 

ここではランニングで生じる腰痛の主な原因を3つ解説します。

 

  • 普段の姿勢が悪い
  • オーバーワーク・疲労蓄積
  • 腰回りの柔軟性

 

 

普段の姿勢が悪い

ランニング中に腰が痛くなる人の特徴として挙げられるのが、もともとの姿勢が悪いことです。

 

猫背のように背中を丸めるのが癖になっている人は常日頃から腰椎に負担をかけています。腰椎とは骨盤の上にある椎骨の一種です。

 

姿勢の悪化は骨盤の後傾に繋がり、後傾した骨盤が腰椎に負担をかけることが腰痛を引き起こします。

悪い姿勢が当たり前になっている人がランニングに挑戦すると、腰椎に負担をかけたまま走ってしまうため、腰が痛くなるというわけです。

 

猫背に伴う慢性的な腰痛に苦しめられている人はランニングの際にも腰が痛くなりやすいことを覚えておきましょう。

 

 

オーバーワーク・疲労蓄積

熱意をもってランニングに取り組んでいる人が腰痛を発症している場合、オーバーワークや疲労の蓄積が原因である可能性を考慮しましょう。

腰椎は筋肉によって覆われており、疲労やオーバーワークから筋肉が傷ついてしまうと腰痛に悩まされます。

 

ランニングは下半身だけでなく、全身に負荷がかかる運動です。

ランニングを習慣にする中で、腰のケアを充分に行っていないと疲労が蓄積すると共に腰周辺の筋肉が弱ってしまいます。

弱った筋肉で肉離れが生じることもまた、ランニングに起因する腰痛の一種です。

 

弱った筋肉は腰椎を充分に支えることができません。結果として腰椎への負担が増加し、腰痛に繋がることもあります。

 

 

腰回りの柔軟性

腰回りの筋肉が硬い人はランニングの最中に腰が痛くなりやすいことを自覚しましょう。

 

腰回りの筋肉が硬いということは身体の背面の筋肉が柔軟性を失っていることを意味します。つまり猫背や肩こりといった状態と同じく、筋肉が強張っているのです。

 

この状態でランニングをしても、下半身の筋肉をスムーズに動員することが難しくなります。

筋肉が上手く動作しない場合、その下にある腰椎に負担がかかってしまうのです。

久しぶりのランニングで腰痛を感じたときは、筋肉が以前よりも硬くなっている可能性に留意してください。

 

姿勢の悪さと筋肉の硬さは相乗効果で腰痛を引き起こすことがあります。

ランニングで起こる腰痛の対処法

 

腰痛に対処しながらランニングを楽しみたい場合は腰が痛くなる要因に合わせた対策を講じる必要があります。

 

ランニング自体を取りやめるのではなく、腰の痛みの予防と改善に努めながらランニングを継続していきましょう。

 

ここではランニングで生じる腰痛の対処法を3つ解説します。

 

  • 休養をとる
  • 腰痛ベルトを使う
  • リカバリーをしっかりする

 

 

休養をとる

走るのが難しいほどの腰痛に襲われた場合は、とりあえず休養をとることを優先してください。

 

ランニング中の腰痛は筋肉や腰椎に関係しています。痛みが生じた段階で休息を取らないと、腰回りに悪影響を及ぼすことがあるので注意してください。

 

腰に痛みを抱えたまま走っていると、痛みをかばうために不自然なフォームになり、姿勢や骨格を歪める可能性があります。

こうなると腰痛が快方に向かうばかりか、さらに腰痛が悪化してしまいます。

 

休息をとっても慢性的な痛みが残る場合は病院で医師の診断を仰ぎましょう。自分の骨格や筋肉の状態を専門家に診てもらった方が、腰痛対策を立てやすくなります。

 

 

腰痛ベルトを使う

腰痛ベルトは腰からお腹にかけて巻き付けるタイプの器具です。ランニングの最中に腰の筋肉が刺激されて痛みを感じている場合、腰痛ベルトをすることで症状が緩和される可能性があります。

ただし、腰痛ベルトを付けなければいけないほどの痛みを抱えているならランニングは控えた方が賢明です。

 

 

リカバリーをしっかりする

ランニングによる腰痛に対処するには日頃からリカバリーに力を入れることが重要です。

リカバリーとは回復を意味します。走る前後のストレッチや休息、栄養補給もリカバリーの一種です。

 

ランニングの前後は下半身だけでなく腰の筋肉やお尻の筋肉もしっかり伸ばしましょう。

腰痛を感じてランニングから一時的に離れていた人は水中ウォーキングのような腰への負荷が比較的軽い運動に取り組み、筋肉の柔軟性を確保しておくのもひとつの手段です。

 

水中ウォーキングに取り組む際には腰回りの筋肉が伸びていることを意識しながら歩いてください。

水中ウォーキングは腰痛に悩んでいる人がランニングに復帰するためのリカバリー手段として広く用いられています。

ランニングで起こる腰痛の予防

 

腰痛が発症してから対処するだけでなく、腰痛にならないように努めることもランニングを継続していくには不可欠です。

 

ランニングは比較的高負荷の運動なので、予防策を講じているか否かで腰痛の発症率が変わってくることを覚えておきましょう。

 

ここではランニングで生じる腰痛の予防を3つ解説します。

 

  • ランニング前後のストレッチ
  • 普段から正しい姿勢を意識する
  • インソールで予防

 

 

ランニング前後のストレッチ

ストレッチは激しい運動をする前にやっておきたい腰痛予防策です。ランニングについても、ストレッチをしておくことで腰痛に悩まされる確率を下げる効果が期待できます。

 

腰痛を予防するうえで特に力を入れたいのが腰回りのストレッチです。

 

背中を軽く反るストレッチや、腰を大きく回す運動、お尻のストレッチをすることで腰の筋肉の強張りをほぐすことができます。ただし、腰以外の筋肉も伸ばさないと腰痛予防としての効果は半減してしまいます。

 

なぜなら腰以外の筋肉がほぐれていないと、ほぐれていない筋肉にかかった負荷が腰まで伝わり、腰に負担がかかることもあるからです。

また、ランニング後のストレッチでリカバリーを図ることも、腰痛予防になります。

 

 

普段から正しい姿勢を意識する

日常的な姿勢の悪化がランニング中の腰痛の原因になるということは日頃から正しい姿勢を意識して生活すれば、腰痛を予防できることと同義です。

背筋の伸ばして顎を引き、肩が内巻きにならない姿勢を意識しましょう。

 

自分が正しい姿勢かどうかチェックしたいときは壁に背中を着けた状態で立ってみましょう。後頭部と肩甲骨、お尻、かかとの4点が壁に密着した状態が正しい姿勢です。

この体勢に違和感を覚えるなら、すでに姿勢が悪くなっている可能性があります。

 

また、正しい姿勢を維持するには腹筋や背筋が必要です。体幹トレーニングをはじめとした姿勢維持に必要な筋肉を刺激するエクササイズにも取り組みましょう。

 

 

インソールで予防

ランニング中に腰が痛くならないようにするには靴の中に敷くインソールを見直すのもひとつの手段です。

着地の衝撃を吸収する素材を用いたインソールは走っているときに腰が痛くなるのを抑制する効果が期待できます。

 

ランニングはウォーキングと比べて、足裏から伝わってくる衝撃が非常に大きい運動です。腰の筋肉が弱っている状態で何度も衝撃を受けると腰椎に負担がかかって腰痛を引き起こします。

 

衝撃吸収性を備えたインソールであれば、衝撃による腰痛を予防可能です。

 

また、足裏のアーチをサポートする機能が備わったインソールは姿勢の悪化に起因するランニング中の腰痛を予防するのに役立ちます。


まとめ

今回のランニングと腰痛に関する記事の内容を以下の3点にまとめたので、振り返っておきましょう。

 

  • ランニングの最中に腰痛を感じる原因としては、もともとの姿勢の悪さや疲労の蓄積、腰回りの柔軟性が足りていないといった事柄が挙げられます。

 

  • 痛みが酷い場合は休養や腰痛ベルトの着用で、腰痛に対処してください。

 

  • ストレッチの実践やインソールの使用がランニング中の腰痛の予防に繋がります。

 

 

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