肩こりを解消するには温めることが有効|温熱法や注意点を解説!

肩こりを解消するには温めることが有効|温熱法や注意点を解説!

2020年05月24日

デスクワークや運動不足に起因する肩こりに悩んでいる人は肩周辺の筋肉が強張り、冷えている可能性があります。そんなときに試して欲しいのが温熱法です。

 

温熱法とは肩背部や首の筋肉をじっくりと温めることで血行を促し、肩こりを改善を促すケアを意味します。

 

慢性的な肩こりに苦しめられている場合、温熱法で症状が改善されることもあるので試してみてください。

温熱法の詳しいやり方や温熱法が肩こりに効くとされている理由について見ていきましょう。

 

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監修者:安田 智彦

理学療法士/スポーツシューフィッター


都内整形外科クリニックで理学療法士として従事。一般整形疾患からスポーツ選手のリハビリを担当。

理学療法士として働く傍ら全国クラブラグビー選手権優勝多数の名目「神奈川タマリバクラブ」のトレーナー、東京かけっこクラブコーチを努める。

温めると肩こり改善が期待できる理由

 

肩こりへの対処方法としては適度な運動やマッサージなどがありますが、こうした手段は筋肉を「温める」という行為を共通のプロセスにしています。

 

肩こりの原因の中でも多くの人を悩ませているのが、肩周辺の筋肉が血行不良を起こすことです。

 

血行不良の源になるのが、デスクワークをはじめとした同じ体勢を維持する作業です。

パソコンに長時間向かっていると肩周辺の筋肉が凝り固まってしまいます。

すると筋肉の血行が悪化し、強張りや緊張を伴った肩こりに発展するというわけです。

 

温めるという行為は外部から熱を加えることで肩周辺の筋肉の血行を促進し、肩こりの改善に繋がるとされています。

また、温めによる肩こりの解消は慢性的な肩の痛みや倦怠感に対して効果的であることも覚えておきましょう。

肩背部と首を温めると効果的

 

肩こりに悩まされている人の多くは肩や腰などの肩背部や首の筋肉が強張っている傾向にあります。

ピンポイントに肩だけを温めるよりも、肩背部や首全体を温めた方が効果的です。

 

なぜピンポイントに温めるよりも肩背部全体を温めた方が良いのかというと、肩こりは肩だけでなく、周辺の筋肉にまで強張りや緊張を伝播させることがあるからです。

 

初期段階では肩周辺の筋肉だけが緊張していたとしても、時間が経つうちに首や背中の筋肉が強張ってしまいます。

 

肩こりをケアする際には、肩背部を広く温められる方法を採用すると良いでしょう。

肩背部が冷えてしまう原因は?

 

温めによって肩背部や首といった箇所の筋肉がほぐされたとしても、再び肩こりに襲われる可能性があります。

これを阻止するには肩背部や首の筋肉が冷える、つまり強張ってしまう理由を知ったうえで対策を立てていきましょう。

 

最初の原因として覚えておきたいのがストレスです。精神にストレスがかかると交感神経が優位となり肉体は緊張します。

緊張した肉体は硬さを帯び、血管が圧迫されて血行不良を招くのです。

 

血行不良に陥った筋肉が疲労感を覚えます。その結果、痛みや倦怠感として生じたのが肩こりです。

 

また、同じ体勢を長時間維持することが多い人はそうした習慣も肩背部が冷える原因であることを自覚しましょう。

 

同じ体勢の維持は運動不足に直結し、筋肉の強張りや肩こりの原因になります。

肩こり改善の温熱法

温めるという行為が肩こりに効果的だと認識できたら、次はどのように温めることが肩こりの解消に繋がるのか学んでいきましょう。

 

「急激に熱を加える」と「温める」は異なる概念です。体温を上昇させることだけを優先するのではなく、肩こりに効く温熱法を実践しましょう。

 

ここでは肩こり改善に効果的な温熱法を3つ紹介します。

 

  • 湯船にしっかり浸かる
  • レンジで温めた蒸しタオルを使う
  • 使い捨てカイロを使う

 

湯船にしっかり浸かる

 

最初に紹介したい温熱法は湯船にじっくりと浸かることです。当たり前のようにお風呂に入っている方の中でも、温熱法を実践できていない人が見受けらるので注意しましょう。

 

入浴による温熱法のメリットは習慣化のしやすさや肩背部を含めた全身を温められる点にあります。

 

さらに、水圧がマッサージ効果を生み出し、血行を促進させる点にも注目です。身体全体を温めることは肩こりの症状である筋肉の強張りが肩以外の箇所に拡大している場合でも効果的といえます。

 

ただし、湯船に張ったお湯の温度や入浴時間に注意してください。

基本的には40度以下のぬるま湯に浸かります。38~39度が目安です。

ただし、ぬる過ぎてリラックスできない人は多少温度を高くしても問題ありません。

 

入浴時間は、長くても15~20分を目安に上がりましょう。

 

レンジで温めた蒸しタオルを使う

 

入浴するのが難しい環境では蒸しタオルを使った温熱法を試してみてください。

 

蒸しタオルは低コストで実践できるのが魅力であり、温め方によってタオルの温度を調節しやすいのもメリットといえます。

 

肩や首、背中の凝り固まっている筋肉に蒸しタオルを当てることでじっくりと熱が広がり、血行促進効果が期待できる肩こり対策です。

 

蒸しタオルを作る際にはタオルとラップがあれば事足ります。ラップの代わりにビニール袋でも代用可能です。

 

作り方はまず、水で濡らしたタオルを絞ってからラップやビニール袋に入れてください。

ラップやビニール袋に包まれたタオルを電子レンジで温めます。

 

目安は600ワットで20~30秒です。温めたばかりのタオルは熱いことがあるので、少し冷ましてから使用しましょう。

 

使い捨てカイロを使う

 

冬の暖房アイテムとして用いられる使い捨てカイロは肩こり対策の温熱法でも活躍します。

 

使い捨てカイロは化学反応で熱を生み出し、反応が持続する間身体を温められるグッズです。

 

両面テープが付いたタイプであれば、背中や肩に貼り付けながら作業できる点もメリットといえます。

 

ただし、使い捨てカイロが直接肌に触れると低音火傷の可能性がありますので、衣服の上からあてるように心がけてください。

 

使い捨てカイロと同じ効果を実感できるのがあずきカイロです。あずきカイロとは温めたあずきを布に入れて作ったカイロを意味します。

あずきは保温効果が高く、電子レンジで温め直せば何度も使える点が魅力です。

 

布で袋を作り、その中にあずきを入れるだけで完成するあずきカイロは一度使ったらおしまいの使い捨てカイロよりも経済的負担が少ない点がメリットといえます。

悪化したら直ちに病院へ受診を

肩こりは身体を温めることである程度の改善が期待できますが、温めによって全ての肩こりを解消できるわけではない点に注意が必要です。

 

筋肉の強張りや血行不良以外が原因で引き起こされる肩こりも存在するため、温めても肩こりが良くならない場合や温めた結果肩こりが酷くなったときは病院で診察してもらいましょう。

 

変形性頚椎症をはじめとした整形外科的疾患や高血圧症や狭心症に伴う肩こりは医師の診断のもと治療するのが改善への近道です。

まとめ

身体を温める行為と肩こりに関する今回の記事は以下の3点に要約できます。

 

  • 筋肉の疲労や血行不良によって肩こりが発生している場合、肩背部や首の筋肉を温めることで肩こりの解消が期待できます。

 

  • 肩こりに効果的な温熱法としては入浴や使い捨てカイロ、蒸しタオルの活用が代表例です。各温熱法には特徴があるため、自分のライフスタイルに合わせた方法を選択してください。

 

  • 温めても症状が改善しないタイプの肩こりが存在します。そのときは医療機関を訪ねて、医師の診断を仰ぎましょう。

 

 

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