肩こりを改善するには1つの方法に頼り切るよりも、複数のアプローチから対処した方が効果的です。
こちらの記事では肩こりの原因を解説した後、肩こり対策として試して欲しい8つの方法を紹介するので、複数のアプローチから肩こりを改善したいときに役立ててください。
インソールや枕といったグッズを活用する肩こり改善策も紹介します。
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目次
監修者:安田 智彦
理学療法士/スポーツシューフィッター
都内整形外科クリニックで理学療法士として従事。一般整形疾患からスポーツ選手のリハビリを担当。
理学療法士として働く傍ら全国クラブラグビー選手権優勝多数の名目「神奈川タマリバクラブ」のトレーナー、東京かけっこクラブコーチを努める。
肩こりが発生する原因としては以下に挙げる事柄が考えられます。
肩こりが発生する原因の中でもデスクワーカーや学生といった机に向かうことが多い人に見られるのが、長時間同じ姿勢を継続することです。机に座って作業をするとき、多くの人は首を前に突き出す姿勢になります。
実際にこの体勢になってみると、肩周辺の筋肉が縮まっているのがわかることでしょう。肩の筋肉を縮ませた状態を継続することで血行が悪化し、慢性的な肩こりを引き起こすケースが後を絶ちません。
前のめりな姿勢で仕事をして目の前のパソコンを見続けてしまうと、毛様体筋という目の筋肉が緊張した状態が続き、目に大きな負担がかかります。
これは目には遠くを見ると毛様体筋の緊張がゆるみ、逆に、近くを見ると緊張するという特徴があるからです。
そして、目に大きな負担がかかり、目が疲れる・ぼやける・かすむ・しょぼしょぼするという症状が現れると眼精疲労という病気の恐れがあると言えます。
眼精疲労により視界がぼやけてくると、パソコンの画面をより見ようとするため、目とパソコンの距離が近くなる=顔を前に突き出すような形になります。そのような態勢ですと首に負担がかかり、最終的に肩に負担がかかって肩こりの原因にもつながるのです。
肩こりの中でも、身体を動かす機会が少ない人に多く見られるのが運動不足です。肩こりの原因が肩周辺の筋肉の血行不良にあることはお伝えした通りです。
私たちの血管は身体を動かすことで血液の循環を促すことができます。しかし運動する習慣がない人は運動による血行促進効果を得られないため、日常的に運動をする人よりも血行不良に陥りやすい傾向にあります。
運動不足の人は肩回りの筋肉が強張りやすく、肩こりに悩まされやすいことを自覚しておきましょう。
女性だけでなく、冷房の効いた部屋で仕事をする男性の肩こりの原因としても近年注目されているのが冷え性です。冷え性の人は指などの末端部分はもちろんのこと、内臓をはじめとした身体の内側まで冷えているケースが多く見受けられます。
身体の内側が冷えているということは血管も冷たくなっており、硬くなった血管は柔軟性が低下し、筋肉の末端まで血液を送ることが困難になるため、肩回りの筋肉を強張らせて肩こりを引き起こすのです。
ストレスは多くの不調の原因であり、肩こりを引き起こす要因としても知られています。ストレスを感じた身体は交感神経が優位に働き、筋肉が緊張しやすくなります。
強い緊張状態が長く続くと筋肉は強張りやすく、血行不良に陥る確率が高いのです。
肩こりは外的要因によって引き起こされるケースよりも、毎日の習慣の積み重ねによって生じることが多い傾向にあります。
換言すれば、習慣を変えることが肩こり改善の近道というわけです。
肩こりの原因に根本から対処する方法を実践し、肩こりの改善に努めましょう。
ここでは肩こり改善の8つのアプローチを解説します。
1つ目の種目は肩回しストレッチです。まずは右手で右肩を、左手で左肩を触る基本姿勢を取ります。
ここから肩を大きく前に10回まわしてください。左右の肩を同時に回すのがポイントです。
10回まわし終えたら、今度は逆の方向にも肩を回しましょう。
指先が肩から離れてしまうと肩の筋肉をほぐす効果が薄くなるので注意してください。
時間に余裕がある人は僧帽筋や広背筋といった方の周辺の筋肉がポカポカ温まってくるまで回すと、肩こり解消の効果がより強く実感できます。
肩こりは肩周辺の筋肉だけでなく、連結した他の筋肉の血行にも悪影響を与えることがあります。
肩と腕の筋肉をほぐすこちらのストレッチは二の腕の血行促進効果も期待できる種目です。
まずは耳に二の腕をくっつけるようにして右の腕を上げて、そのまま肘を曲げてください。
左手を右肘を添えたら、肘を頭の頭の方に引っ張ります。肩と二の腕の筋肉が伸びていることを意識しながら5秒キープしましょう。
反対側も同様に取り組みます。左右それぞれ3回ずつが目安です。
肩こりを解消するマッサージとして最初に紹介したいのが首周りのリンパを流すマッサージです。
首の周辺には血管やリンパの流れが集中しているため、ここを刺激することで肩こりを緩和していきます。
首周りの中でも、鎖骨付近は凝り固まりやすい部位です。
鎖骨の窪みに当たる部位を指の腹で優しく擦ってください。肩先から鎖骨のラインをゆっくりと撫でるように動かすのがポイントです。
左右の顎のエラから鎖骨に向けてリンパを流すマッサージも有効といえます。鎖骨とエラをそれぞれ5回程度揉み込みましょう。
肩周辺のリンパを流すことで、首や肩の凝り固まった筋肉をほぐしていきます。
最初に手を着けるのが首の付け根にあたる筋肉です。左肩を揉む場合は右手で肩の付け根を押さえた後、肩先に向かって揉み込んでいきましょう。
真っすぐ押し込むのではなく、円を描くように擦るのがコツです。
付け根から肩先まで揉み終えたら、今度は鎖骨のラインを同様に揉んでいきましょう。
右肩をマッサージする場合は左手で同様の動きを繰り返します。左右それぞれ3回程度取り組んでください。
脇のマッサージは肩や背中の筋肉のコリをほぐすのに効果的といえます。
脇下に集まったリンパを流すには、掌でゆっくりと揉み込むのがポイントです。
左脇をマッサージする際には、右手を脇に押し当ててください。
この状態から円を描くようにゆっくりと擦ります。痛みを感じるほど強く押し込む必要はありません。あくまで擦るイメージでマッサージしてください。右脇を揉むときは左手で同様の動きを繰り返します。
脇下側の腕は出来るだけリラックスすることが心がけましょう。
1回で終わらせるのではなく、左右の脇下を5回ずつ揉むようにしましょう。
自重で行う肩こりを解消する僧帽筋を鍛えるトレーニングとして最初に紹介するのがデクラインプッシュアップです。
プッシュアップは通常腕や胸を鍛えるトレーニングですが、やり方次第では僧帽筋も鍛えられます。
デクラインプッシュアップは通常のプッシュアップをアレンジし、足の高さを変えるだけで腕や胸だけでなく僧帽筋にも効かせることができます。
【やり方】
①ベンチやイスなどの高さがあるものの上に足を乗せます。
②手をついて背中をまっすぐ伸ばし、プッシュアップの体勢になります。
③手を肩幅にひらき、体を下に下げて行きます。
④体を下まで下げたらゆっくり元に戻しこれを繰り返します。
注意点としては体が曲がってしまうと、腰を痛めたり負荷が逃げて効かせたい部位に十分な刺激が加わらないため、背中を曲げないようにまっすぐ体幹を保持してください。
出来るだけ大きな範囲を動かしましょう。
自重で肩こりを解消する僧帽筋を鍛えるために効果的なトレーニングとして次に紹介するのがバックラットプルダウンです。
通常、バックラットプルダウンはトレーニングジムなどに置いてあるラットプルダウンマシンを作って広背筋や僧帽筋をやるトレーニングですが、実はトレーニングジムに行かなくても自宅で行う方法もあります。
強度は少し落ちますが、正しいやり方でトレーニングを行うことで自重でもしっかり僧帽筋を鍛えることが可能です。
【やり方】
①あぐらを組んで座ります。
②背中をまっすぐ伸ばして両手を開いた状態で上に伸ばします。
③両手をバーを握るイメージで閉じて、肩甲骨を寄せるイメージで引きつけます。
④いっぱいまで引き付けたら元の状態に戻りこれを繰り返します。
注意点としては肩甲骨を意識しないと、腕を上げ下げする動作になってしまうため、肩甲骨をしっかり意識して寄せることが大切です。
痛みがない範囲で大きく動かしましょう。
最初に紹介するのは肩を上げ下げする運動です。
椅子に座った状態から、肩をすくめて3秒ほどキープしてください。その後脱力して肩を下ろす動作を5回程度繰り返します。
肩を持ち上げるときに息を吸って、下ろすときに吐くのがポイントです。
デスクワークのような前傾姿勢が習慣になっている人は段々と肩が内巻きになってしまいます。
椅子に座ったまま背中側で両手を組み、肩甲骨の真後ろあたりまで腕を上げるストレッチ運動をすると肩や胸の筋肉を開くことが可能です。30秒を目安に取り組みましょう。
肩こり改善に役立つ枕のポイントとして、最初に紹介したいのが脊柱のS字カーブを保つ枕です。
人間は他の動物に比べて格段に頭が重く、平均すると5kgを超えるといわれています。この頭を支えながら二足歩行するには脊椎がS字にカーブしていることが理想です。
寝ている最中もS字カーブが維持されているほど、身体への負担が少なくなります。
ここで重要になるのが枕の高さです。枕の高さが合っていないと脊柱のS字カーブを維持できず、肩こりを引き起こしてしまうからです。
男性の場合は4cm、女性の場合は3cm前後の高さがあると、S字カーブを維持しやすくなるといわれています。
ただしこれは平均的な数値であり、人によってはもっと高い枕や低い枕が適していることもあるため注意しましょう。
枕専門店等で自分の頭の高さに合った枕を作ってもらうのが、最適な枕の高さを知る最も確実な方法です。
枕の働きとして意外に知られていないのが寝返りのサポートです。人間は一晩のうちに数十回の寝返りを繰り返します。
寝返りをすることで身体の一部に負担をかけることなく、長時間眠ることが可能になるのです。
もし寝返りを打つことなく眠った場合、背中や肩の筋肉が極端に疲労します。
その結果、肩こりをはじめとした身体の不調を抱えたまま起床することになるというわけです。枕を選ぶ際には無理なく寝返りが打てる枕を選択しましょう。
寝返りを打ったときに頭が落ちない程度の広さを備えていることが重要です。
寝返りを打つと身体が横向きになることがあります。この体勢における首や肩に負担への負担軽減具合も、寝返りを快適に打つために必要な項目です。
肩こり抑制を目的に枕を選ぶ場合、見逃してはいけないのが枕の反発力です。
枕と反発力の関係性を判断するには頭の沈み込みやすさに注目しましょう。反発力が強い枕の場合、寝返りを打つのをサポートする力に優れているといえます。
反対に、反発力が少ない柔らかめの素材で作られている枕は頭を載せたときのフィット感に優れているのです。
肩こりや腰痛といった症状を予防するには適度な寝返りが不可欠です。寝返りの回数が少ない人の場合は、高反発の枕で寝返りをサポートしましょう。
一方、低反発の枕は首や肩を載せたときにしっかりと沈み込みます。寝返りをしっかり打つことができる自覚がある場合、フィット感を重視して低反発の枕を使うのもひとつの手段です。
枕の最大の役割は寝ている最中に頭を支え、快適な寝姿勢をキープすることです。
頭を支えるという役割を考えると、どうしても頭との密着面にこだわりがちですが、実は首元を支えることも枕の重要な仕事になっています。
枕が首元を支えていないと人間の身体は筋肉で首元のラインを維持しようとします。
すると首元の筋肉が寝ている間、ずっと動員されることになるのです。
一晩中、力を込め続けた筋肉には疲労が蓄積されるため、首こりや肩こりといった症状を発生させます。
首元をしっかり支える枕は断面図がハートに近い形をしていることを覚えておきましょう。
後頭部と比較して、頸椎の沈み込みが浅い枕も首元を支えるのに適した形の枕といえます。
枕を選ぶ際には実際に頭を載せて沈み込みの加減を確認しましょう。
肩こりを食生活から改善していきたいのであれば、食品に含まれている栄養素に注目しましょう。
肩こりを改善するために食べて欲しい食品としては、クエン酸やタンパク質を含む食品が挙げられます。
クエン酸は疲労回復効果が見込める栄養素です。筋肉の疲労に伴う血行不良は肩こりの大きな要因なので、疲労を取り除くクエン酸は効果的といえます。
クエン酸が含まれるレモンをはじめとした柑橘類や、酢を用いた料理を積極的に口にしましょう。
タンパク質は筋肉の生成を促す効果があります。肩回りの筋肉の衰えもまた肩こりの要因です。タンパク質は肉や魚、大豆といった食品に含まれます。
1種類の食品から摂取するよりも、幅広い食品からタンパク質を摂った方が筋肉への変換効率は高くなることを覚えておきましょう。
起床したときに肩こりを感じる人や睡眠時間を確保したにも拘わらず肩回りが重い人は肩こりを誘引する寝方で夜を過ごしている可能性があります。
肩こりケアの一環として寝方にもこだわっていきましょう。
肩こりに悩まされることなく眠るには仰向けや横向きになったときに首や肩に圧力が集中しない寝方であることが重要です。
肩をはじめとした各部位に圧力が集中すると、その部位が血行不良に陥って肩こりを引き起こすことがあります。
横向きで寝ると肩の片側が強く圧迫される点に注意が必要です。
肩こりを改善するには横向きで寝る時間を短くした方が良いといえます。圧力を集中させない寝方を確保するには、枕やマットレスに注目してください。
自分に合った寝具を利用していないと首や肩に負担をかけてしまいます。
正しい寝方で肩こりを改善したいのであれば、寝具の見直しから始めましょう。
肩こりを改善する方法としてはインソールをはじめとしたグッズを活用するのもひとつの手段です。
インソールとは靴と足の裏の間に敷くことで、歩行における負担を軽減するためのグッズとして知られています。
アスリートがインソールにこだわってスポーツ技術の向上に努めることはもちろん、近年では肩こりや腰痛といった不調の解消にインソールが用いられるケースが増えてきました。
その理由として挙げられるのが足裏のアーチを維持することによる姿勢の改善です。人間の足裏はアーチを描いている一方、これが歪んでくると姿勢の悪化に繋がります。
インソールは足裏のアーチから姿勢改善にアプローチすることで肩こりの原因となる悪い姿勢に対処できるグッズです。
靴を履いて生活することが多い人はインソールにこだわって肩こりに対処してみましょう。
肩こりの改善に関する今回の記事を以下の3点にまとめたのでおさらいしておきましょう。
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