枕は快眠を確保するのに役立つ一方で、肩こり等の不調を誘発する可能性があります。
血行不良や筋肉の疲労に基づく肩こりは睡眠中にも発生することがあるので注意が必要です。
寝ているときの体勢を大きく左右する枕へのこだわりが起床時の肩こりケアに繋がります。肩こり改善効果が期待可能な枕の特徴である4つのポイントをチェックしていきましょう。
自分でも簡単に作ることができるタオル枕や、枕がなくても快眠できる人の特徴についても解説します。
肩こりにおすすめの枕人気おすすめ10選!【いびき・頭痛・腰痛にも】
監修者:佐々木 優太
理学療法士
アスリートのトレーニング、コンディショニングサポートをメインに活動。
【経歴】
・国体帯同(福井、茨城国体)
・クライミング世代別日本上位選手サポート
・BMX世代別日本代表選手サポート
・パラアスリートサポート
睡眠の最中に頭を支えてくれる寝具といえば枕です。人間が睡眠の度に枕を使うのには理由があります。
枕があることで人間は睡眠時、身体の負担を軽減することができるからです。
この原則を忘れて安さや珍しさだけで枕を選んでいると、肩こりをはじめとした肉体の不調を引き起こす可能性がある点に注意しましょう。
人にはそれぞれの体格や体型、頭の形に合った枕が存在し、そこから外れるほど快適な睡眠を得ることが難しくなります。
身体に合っていない枕を使用すると腰や肩の筋肉の一部が強く圧迫され、血行不良を原因とする肩こりや腰痛を引き起こすというわけです。
起床したときに肩が重い、しっかり眠ったはずなのに肩こりが酷い人は枕が合っていない可能性が高いといえます。
自分に合った枕を探したいときは、まずどのような枕が理想的なのか頭に入れることが重要です。
肩こりをはじめとした症状を引き起こすことなく、快適な睡眠を確保するには4つのポイントがあります。
肩こり改善に役立つ枕のポイントとして、最初に紹介したいのが脊柱のS字カーブを保つ枕です。
人間は他の動物に比べて格段に頭が重く、平均すると5kgを超えるといわれています。この頭を支えながら二足歩行するには脊椎がS字にカーブしていることが理想です。
寝ている最中もS字カーブが維持されているほど、身体への負担が少なくなります。
ここで重要になるのが枕の高さです。枕の高さが合っていないと脊柱のS字カーブを維持できず、肩こりを引き起こしてしまうからです。
男性の場合は4cm、女性の場合は3cm前後の高さがあると、S字カーブを維持しやすくなるといわれています。
ただしこれは平均的な数値であり、人によってはもっと高い枕や低い枕が適していることもあるため注意しましょう。
枕専門店等で自分の頭の高さに合った枕を作ってもらうのが、最適な枕の高さを知る最も確実な方法です。
枕の働きとして意外に知られていないのが寝返りのサポートです。人間は一晩のうちに数十回の寝返りを繰り返します。
寝返りをすることで身体の一部に負担をかけることなく、長時間眠ることが可能になるのです。
もし寝返りを打つことなく眠った場合、背中や肩の筋肉が極端に疲労します。
その結果、肩こりをはじめとした身体の不調を抱えたまま起床することになるというわけです。枕を選ぶ際には無理なく寝返りが打てる枕を選択しましょう。
寝返りを打ったときに頭が落ちない程度の広さを備えていることが重要です。
寝返りを打つと身体が横向きになることがあります。この体勢における首や肩に負担への負担軽減具合も、寝返りを快適に打つために必要な項目です。
肩こり抑制を目的に枕を選ぶ場合、見逃してはいけないのが枕の反発力です。
枕と反発力の関係性を判断するには頭の沈み込みやすさに注目しましょう。反発力が強い枕の場合、寝返りを打つのをサポートする力に優れているといえます。
反対に、反発力が少ない柔らかめの素材で作られている枕は頭を載せたときのフィット感に優れているのです。
肩こりや腰痛といった症状を予防するには適度な寝返りが不可欠です。寝返りの回数が少ない人の場合は、高反発の枕で寝返りをサポートしましょう。
一方、低反発の枕は首や肩を載せたときにしっかりと沈み込みます。寝返りをしっかり打つことができる自覚がある場合、フィット感を重視して低反発の枕を使うのもひとつの手段です。
枕の最大の役割は寝ている最中に頭を支え、快適な寝姿勢をキープすることです。
頭を支えるという役割を考えると、どうしても頭との密着面にこだわりがちですが、実は首元を支えることも枕の重要な仕事になっています。
枕が首元を支えていないと人間の身体は筋肉で首元のラインを維持しようとします。
すると首元の筋肉が寝ている間、ずっと動員されることになるのです。
一晩中、力を込め続けた筋肉には疲労が蓄積されるため、首こりや肩こりといった症状を発生させます。
首元をしっかり支える枕は断面図がハートに近い形をしていることを覚えておきましょう。
後頭部と比較して、頸椎の沈み込みが浅い枕も首元を支えるのに適した形の枕といえます。
枕を選ぶ際には実際に頭を載せて沈み込みの加減を確認しましょう。
低反発枕は頭が沈み込む感覚が心地良いと評判の寝具です。
ただし、場合によっては肩こりを促進する恐れがある点に注意してください。低反発枕はその名の通り、頭を載せたときの反発力が低い枕を意味します。
反発力の低い枕の特徴は寝たときに頭が深く沈み込むことです。
沈み込みが深いと枕の頭を載せていない部分と、頭を載せている部分の高さの差が大きくなることから、寝返りが打ちにくくなってしまいます。
寝返りが上手く打てない枕は肩や腰の筋肉の血行不良を促し、肩こりをはじめとした不調を誘発する可能性が高くなるというわけです。
しかし、全ての低反発枕が肩こりの原因となるわけではありません。
理想的な低反発枕を確保するには店舗に足を運んだうえで沈み込んだときの頭の高さや寝返りがきちんと打てることを確認しましょう。
既製品の枕がどうしても合わない場合はタオル枕を使用するのも肩こり予防の手段です。
タオル枕とはその名の通り、タオルを使った枕を指します。タオル枕の作り方は非常に簡単です。
厚手のタオルをクルクルと巻き、枕の代わりに活用しましょう。
このとき重要なのは頭の下に敷くのではなく、首と敷布団の隙間に丸めたタオルを置くことです。
タオル枕の場合、後頭部は敷布団の密着することがあります。
一般的な枕は頭全体を載せますが、タオル枕は首の後ろを支えて頸椎のS字カーブを維持し、快適な寝姿をサポートするのが特徴です。
タオル枕のメリットとしてはタオルの厚さや重ねる枚数を変えることで、簡単に調整できる点が挙げられます。
携行性にも優れており、旅行先でも自宅の枕を使いたいときに重宝する枕です。
ただし、タオル枕は寝ている最中に型崩れしやすく、硬さが足りない傾向にあるのがデメリットといえます。
枕は快眠を司るグッズではありますが、世間には枕を使わなくても心地良く眠ることができる人もいます。
ただし、3つの条件を満たしていなくてはいけません。最初の条件は使用しているマットレスの柔らかさです。
人間の背面はお尻や肩といった筋肉による凹凸が存在します。この凹凸のせいで腰や肩の一部に圧力がかかり、血行不良を引き起こすことが肩こりや腰痛のメカニズムのひとつです。
マットレスが柔らかく、背面全体に圧力が分散される場合、血行不良に陥る確率が低下することから、肩こりに悩まされにくくなります。
2つ目の条件は後頭部が平らな人です。
後頭部が平らだと枕を敷かなくても頭が受ける圧力が分散されます。
3つ目の条件はもともと寝返りが少ない体質です。
以上の条件を満たしていれば、枕を使わなくても肩こりに苦しむ可能性が低くなります。
ただし、この条件を満たしている人は一部であり、基本的には自分に合った枕で肩こりを予防する方が賢明です。
今回の枕と肩こりに関する記事を以下の3点にまとめたので振り返っていきましょう。
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