上半身や肩の筋肉をほぐすストレッチは肩こりを和らげる効果があるとされています。
ただし、疾患が引き起こす肩こりについては根本的な原因である疾患の治療が優先です。
こちらの記事ではオフィスにいながらでも取り組めるストレッチやテレビを見ている最中でも可能なストレッチの手順や注意点を紹介します。
さらに、近年注目を集めているストレッチポールを用いた肩こりの予防や改善に役立つストレッチについても見ていきましょう。
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監修者:佐々木 優太
理学療法士
アスリートのトレーニング、コンディショニングサポートをメインに活動。
【経歴】
・国体帯同(福井、茨城国体)
・クライミング世代別日本上位選手サポート
・BMX世代別日本代表選手サポート
・パラアスリートサポート
肩こりを解消する方法として、近年注目を浴びているのがストレッチです。
肩こりの原因の中には僧帽筋をはじめとした肩回りの筋肉の血行不良が存在します。
血行が悪化した筋肉の強張りが疲労感や倦怠感、痛みを伴った肩こりとして発症するのが血行不良による肩こりのメカニズムです。
ストレッチはこうした肩こりに対して、一定の効果を発揮します。
ただし、内臓などの疾患に伴う肩こりについてはストレッチが根本的な解決手段にはなり得ません。
疾患性の肩こりの場合には、ストレッチでお茶を濁すのではなく治療に専念してください。
また、姿勢の悪化によって血行不良が促進されているケースにおいてもストレッチは一時しのぎにしかならないため、まずは姿勢の改善に努めることをおすすめします。
肩こりの対処方法や原因を学ぶ前に自分の肩こりがどれだけ重大なのかチェックすることをおすすめします。
肩こりをチェックする際の目安となるのが特定の姿勢を取ったときに腕が上がる高さです。
まずは、足を揃えてまっすぐ立った状態から腕を前に伸ばしましょう。そこから肘を手前に曲げて、前腕と二の腕の角度を90度にしてください。両腕を90度に曲げたら、今度はその状態で肘同士をくっつけます。
この基本姿勢から肘同士を離すことなく、まっすぐ上に腕を引き上げてください。肩こりが重症な人は、胸よりも高い位置まで肘が上がることはありません。 顎まで上げられない人は、比較的重度の肩こりといえます。
唇の高さに肘が来る場合は肩こりの症状が軽く、改善しやすい状態です。肩こりの心配がほとんどない人は、鼻の位置まで両肘が持ち上がります。
仕事中に肩こりに悩まされたとき、知っておくと便利なのが座りながらでもできるストレッチです。
簡単に取り組めるストレッチを習慣にしておけば、仕事の最中に肩の筋肉をほぐし、肩こりの予防や改善に努めることができます。
肩こり改善のためにストレッチを実施する際には筋肉の正しい伸ばし方を覚えることから始めましょう。
肩の周辺は複数の筋肉が組み合わさっているため、伸ばし方を間違えると肩こりの悪化や肩こりとは別の痛みが発症する可能性があります。
ここでは肩こりに効果的とされているストレッチを紹介するので、肩こりが酷い人は参考にしてみてください。
ただし、ストレッチによって肩こりが悪化してしまったときはすぐに医療機関を受診しましょう。
肩甲骨の周辺に広背筋と呼ばれる背中の大きな筋肉や僧帽筋という肩の筋肉が存在します。
肩甲骨回しは肩周辺の筋肉をほぐすことで、血行促進の効果が期待できるエクササイズです。
肩甲骨回しをする際にはまず、脱力した状態から両手を胸の前で合わせてください。
この体勢から片方の手を頭上に掲げ、肘を肩よりも後ろに持っていく形で大きく腕を回します。今度は逆側の腕を同様に回しましょう。
左右の腕を1回ずつ回し終えたら今度は最初に回した腕の肘を下げて、手前に引きながら回しましょう。
反対側の腕も同様です。左右それぞれ2回ずつ回すのを1セットとし、4セットを目安に取り組みましょう。
腕の力で回すのではなく、肩の筋肉を意識して取り組むと肩こりがほぐれやすくなります。
ハンカチやタオルといった布類を使って、肩周辺の筋肉を刺激する運動も肩こりの解消に効果的とされています。
まずは両手を頭上に掲げた状態でハンカチやタオルを握ってください。このとき、腕はしっかり伸ばしましょう。
掲げた両手の間隔は肩よりも少し広い程度です。タオルをしっかり握ったまま、背伸びをするイメージで肩の筋肉を伸ばします。
さらにそこから身体を右に倒し、元に戻ったら左に倒してください。
背伸びの運動と左右に身体を倒す運動で1セットです。
肩の筋肉が伸ばされたと感じる程度の回数を繰り返しましょう。
椅子に座った状態でも可能なストレッチはデスクワーク中に凝り固まった肩をほぐすのにも役立ちます。
伸ばすべき筋肉を意識しながら肩こりを予防・改善していきましょう。
1つ目の種目は肩回しストレッチです。まずは右手で右肩を、左手で左肩を触る基本姿勢を取ります。
ここから肩を大きく前に10回まわしてください。左右の肩を同時に回すのがポイントです。
10回まわし終えたら、今度は逆の方向にも肩を回しましょう。
指先が肩から離れてしまうと肩の筋肉をほぐす効果が薄くなるので注意してください。
時間に余裕がある人は僧帽筋や広背筋といった方の周辺の筋肉がポカポカ温まってくるまで回すと、肩こり解消の効果がより強く実感できます。
肩こりは肩周辺の筋肉だけでなく、連結した他の筋肉の血行にも悪影響を与えることがあります。
肩と腕の筋肉をほぐすこちらのストレッチは二の腕の血行促進効果も期待できる種目です。
まずは耳に二の腕をくっつけるようにして右の腕を上げて、そのまま肘を曲げてください。
左手を右肘を添えたら、肘を頭の頭の方に引っ張ります。肩と二の腕の筋肉が伸びていることを意識しながら5秒キープしましょう。
反対側も同様に取り組みます。左右それぞれ3回ずつが目安です。
肩だけでなく背中の筋肉にも強張りを感じる人は寝る前にできる肩こり解消ストレッチを試してみましょう。
この種目の基本姿勢は正座です。正座の状態から床に手を着き、徐々に前方へと滑らせていきます。
両脚が地面から浮かないように気を付けながら腕をまっすぐ伸ばしましょう。
額が地面に着きそうになるまで伸ばすと、肩から背中にかけての筋肉を同時にほぐすことが可能です。
身体から最も遠い位置に手を着いた状態で30秒キープしてください。
肩こりを誘発する姿勢である猫背は身体全体が前かがみになってしまいます。
猫背は身体の背面だけでなく、胸筋を含めた身体の前側の筋肉も強張らせることを覚えておきましょう。
これを解消するには、壁を使ったストレッチが効果的です。
壁の前に立ったら頭より高い位置に手を着き、壁に体重を預けます。
そのまま胸を腕を壁に押し当てて、お尻を突き出しながら背中を反りましょう。
お尻が下がってしまうとストレッチ効果が落ちるので気を付けてください。
背中を反った体勢を5秒キープするのが理想です。
ストレッチの効果を高めるグッズとして近年注目を浴びているのがストレッチポールです。
ストレッチポールを用いた種目には肩こりの予防や改善の効果が高いとされているものもあります。
背中や肩甲骨の筋肉がしっかり伸びているのを感じながら、ストレッチポールを活用していきましょう。
ストレッチポールで肩甲骨を刺激するには、まずうつ伏せに寝転んでから頭の上に向かって腕を伸ばします。
伸ばした腕の手首周辺をストレッチポールを添えたら、ポールを手前に引いてください。
このとき注意したいのは腕の力ではなく肩甲骨でポールを引き寄せることです。
背中の筋肉を意識したうえで、肩甲骨を寄せる動きをするとポールを引っ張りやすくなります。ポールを伸ばすのと同時に首を伸ばすと、首周りの筋肉をほぐすことが可能です。
ポールを手前に引いてから戻す運動を10回繰り返してください。
ストレッチポールで上半身の筋肉を伸ばすと、肩こりだけでなく姿勢改善の効果も期待できます。
正座の体勢から両手をまっすぐ伸ばし、地面に置かれたストレッチポールに手を伸ばすのが最初のステップです。
ストレッチポールは両手が触れたときに背中が約45度に丸まる位置においてください。
両手がポールに触れたら深い呼吸を継続しつつ、両腕を前に滑らせます。
このとき、ポールも腕に合わせて前に転がしましょう。
背中が床と平行になるまで伸ばしたら、今度は腕を手前に引きながらポールを引き寄せてください。
今回の肩こりとストレッチに関する記事の内容をまとめると以下の3点に要約できます。
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