野球肘には、いくつものが種類が存在しますが、ジュニア期(小、中学生)の選手が発症するものの多くは上腕骨内側上顆障害(じょうわんこつないそくじょうかしょうがい)で、リトルリーグ肘などと呼ばれたりもします。
リトルリーグ肘の場合は、1、2ヵ月程度の投球を止めることで多くの場合が治癒します。
しかし高校生以上になり体の筋力が向上してくると、より多くの負担が肘の靭帯にかかるようになり、場合によって靭帯が損傷してしまうこともあり、手術が必要にケースも出てきます。
この記事では、野球肘の手術についてくわしく解説していきます。
野球肘とは、おもにピッチャーの投球動作を原因として、肘を痛めるスポーツ障害の総称です。
そのほかのスポーツと比較しても、野球(ピッチャー)の投球動作ほど、肩や肘などに大きな負担をかけるスポーツ動作は存在しません。
また、成長期の小中学生の関節付近には、大人の成熟した骨と比較すると明らかに弱い成長軟骨があります。
そのために、ジュニア期の肩や肘には投球動作でかかる負担はとても大きく、野球をしている小学生の20%が野球肘を発生していると言われています。
野球肘で手術が必要となるのは「内側側副靭帯損傷(ないそくそくふくじんたいそんしょう)」という種類の野球肘です。
内側側副靭帯損傷は、通常高校生以上で発症します。
投球動作の「牽引力」によって内側の靭帯が引っ張られることで損傷につながり、疲労が溜っていくことで徐々に傷んでくる場合と、急激に断裂する場合があります。
フォームの改善を行い、靭帯を補強するために腕の筋肉(回内屈筋群)強化するなどのリハビリ治療や、ニューヨークヤンキースの田中将大投手も行った「多血小板血漿(PRP)治療」という再生医療の一種を行うといった治療法があります。
それでも改善しない場合は、手術が必要となります。
野球肘の種類のひとつである内側側副靭帯損傷では、最終手段として手術を行う必要があります。
この手術はトミージョン手術と呼ばれる靭帯の再建手術です。
ここでは、トミージョン手術についての4つのポイントから解説していきます。
上述したように、野球肘の種類の中でも内側側副靭帯損傷の場合は、トミージョン手術と呼ばれる靭帯の再建手術を行う必要があります。
トミージョン手術とは、1974年にフランク・ジョーブ氏によって考案された術式で、一番最初にこの手術を受けた投手の名がトミー・ジョンであったことからこう呼ばれています。
手術の内容は、肘より先の前腕にある長掌筋を採取し、上腕骨と尺骨に作った孔の中に通します。
そして、両端を引っ張った状態で固定し、靭帯の代用となるようにします。
最近では、日本人メジャーリーガーであるダルビッシュ有選手や大谷翔平選手も行ったトミージョン手術。
現在では、日本の病院でも手術を受けることができ、群馬県の慶友整形外科病院では多くの手術が行われています。
日本では保険適用されるので約30万円でトミージョン手術を受けることができます。
手術後の入院期間は1週間程度といわれていますが、最終的に故障前と同等のレベルに戻るには、1年半程度はかかります。
手術後の安静機関は重症度によって大きく変わりますが、再建した腱がなじむまでは長期間のリハビリが必要となります。
例えば、ダルビッシュ有選手の場合は、2015年3月に手術を行ってから復帰するまでには658日間かかっています。
現在ではトミージョン手術は、アメリカのメジャーリーグの選手で80%、マイナーリーグの選手も合わせると97%の成功率であると言われています。
しかし、現実には復帰後に10試合以上登板できる確率は70%ととも言われており、失敗する例もあります。
また、アメリカでトミージョン手術をうける場合は、保険が適用されないので100~300万円程度の費用がかかるようです。
最近では、多血小板血漿(PRP)治療という再生医療の一種を行うことも多くなってきました。
PRPとは、「Platelet-Rich-Plasma therapy」の略語です。
メジャーリーガーの田中将大選手や大谷翔平選手が肘の靭帯損傷の治療として、PRP治療を行ったことで、この治療方法を知ったという方も多いのではないでしょうか。
PRP治療を簡潔に説明すると、自己の血液を遠心分離し、血小板や成長因子などを多く含む部分を患部に注射をします。
この記事では、野球肘の概要と痛みの原因、また手術が必要な場合や費用、リハビリ期間、注意点などについて解説してきました。
野球肘の手術については、下記の3つのポイントにまとめることができます。
大切なポイントなので、最後におさらいをしておきましょう。
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