
ランニングで膝が痛む!原因や対処、予防について徹底解説
怪我がつきものスポーツ界。ランニングは、誰でも手軽に始められて、健康にもいい運動ですが、そのランニングでも怪我は起きてしまいます。
この記事では、ランニングにおける膝の痛みについて解説しました。
まず、ランニングをしていて膝が痛み始めてしまった場合に、どのような対処を取ればいいのか解説します。
その後に、膝の痛みの原因を知るための方法を紹介し、最後には、膝の痛みを予防するための方法についても紹介しました!
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ランニングにおける膝の痛み:処置編
スポーツには怪我がつきものですが、それはコンタクトプレイがないランニングにも同じことが言えます。
走りすぎてオーバーワークになってしまい、膝を痛めてしまうことなどはありますよね。
まず、ランニングで膝を痛めた場合、どのような対処をすればいいのか見ていきましょう!
アイシング・安静
まずは、膝が痛み出しても、よほどの重傷でない限り、すぐに病院に行く必要はありません。
患部を冷やす「アイシング」で様子をみましょう。
ランニング終了後に、ビニール袋などに氷を入れて、膝に当てましょう。
氷のうやアイスバッグを使うと、アイシングがしやすいだけでなく、温度も過度に冷たくならないよう保てるので便利です。
アイシングの所要時間は、15〜20分程度を目安にしましょう。
アイシングもやはりやりすぎは良くないので、30分以上冷やし続けることは避けましょう。
膝が痛むということは、身体に異変が起きているので、血流が患部に集中し、熱を持ちます。
ですので、青の熱をアイシングでとってあげることが重要です。
アイシングには、関節の痛みを鎮める効果もあります。
病院へ行く
アイシングをしていても一向に痛みが軽減しなかったり、痛みによって走ることがままならない、という方は、やはり病院へ行くことをおすすめします。
ランニングをしていて、膝が痛み出すということは、身体のどこか、もしくはランニグフォームなどに問題があることの裏返しです。
原因さえわかれば、その後の対処もしやすくなるし、予防のため、ウォーミングアップの際にどのような準備体操・ストレッチを取り入れればいいかなど、再発を防ぐこともできるようになります。
また、特定の筋肉がひどく硬化していたり、場合によっては骨折の疑いもあります。
いずれにせよ、痛みが引かない場合は、無理をせず、早めに専門家である医師の診断を仰ぎましょう。
ランニングにおける膝の痛み:原因編
やはりランニングを習慣としている以上、膝の痛みは深刻な問題となります。
どこか特定の部位に負荷が偏っていたり、そもそもすでに負傷を負っている可能性もあります。
痛みという結果に対して、原因が特定できなければ、しかるべき対策も取れませんよね。
ですので、この章では、ランニングの膝の痛みの原因について解説していきます。
ランニングで痛みが生じる原因を特定するための方法として、おすすめなのが「片足スクワット」です。
ランニングは、もちろん両足を使って行うスポーツですが、切り取ると片足着地の連続によって成り立っています。
ですので、片足でスクワットを行うことによって、身体の重心の傾きやバランス、特定の筋肉が弱い、などの原因が分かりやすくなるのです。
通常のスクワットを、方法は同じように、地面についている足の数だけが異なるという状態でスクワットを行います。
右足だけのスクワット、左足だけのスクワット、両方を試しましょう。
例えば、右足だけの場合はできるのに、左足のスクワットはできない、というようであれば、左足の筋力不足が原因で、走る際のバランスが崩れている可能性が高くなります。
ランニングにおける膝の痛み:解消編
ここではランニングで膝を痛めた時に取り組みたいストレッチ・筋トレについて解説していきます。
ストレッチ
膝の痛みは、関節が萎縮したり固まってしまうことが原因で生じるので、ストレッチで柔軟性を維持することが効果的だということが理解できたと思います。
では次に、具体的にどのようなストレッチをしていけばいいのか、紹介していきます!
大腿四頭筋のストレッチ
まずは、「大腿四頭筋のストレッチ」を紹介していきましょう!
大腿四頭筋とは、太ももの前側にある大きな筋肉を指します。身体の中で、最も大きな筋肉であり、膝の痛みとも関わりが深い部位なので、しっかりと正しいストレッチ法を習得して、柔軟性を高めていきましょう!
- まず、壁に対して正面を向いた状態で立ちます。
- 片方の脚を曲げ、手で足を掴みます。
- その状態から、かかとをお尻側に引き寄せていきます。このときに、太ももの前側が伸びている感覚を意識しましょう。
- 呼吸をしながら、身体の外側と内側にゆっくりと、軽く動かしていきます。
- 30秒キープした後、インターバルを挟み3セット繰り返しましょう。
- 逆側も同じように行っていきます。
ハムストリングのストレッチ
次に紹介するのは、「ハムストリングのストレッチ」です!
ハムストリングとは、太ももの裏側にある筋肉のことです。ハムストリングが固まると、膝にかかる負荷が大きくなり、膝の痛みへと繋がってしまいます。
- タオルを使います。バスタオルほど大きいタオルではなく、フェイスタオル程度の小さめのタオルを用意しましょう。
- タオルを足にかけ、両端を掴みます。そのまま、床に仰向けになります。
- タオルをかけていない方の足は、そのまままっすぐ伸ばし、タオルをかけてほうの足は、膝を曲げ、天井に向けます。
- その状態のまま、タオルで足を身体側に引き寄せながら、膝を伸ばします。膝は完全に伸ばしきらず、少し曲がっている程度で十分です。太ももの裏が伸びている感覚を意識しましょう。
- 30秒3セットこない、逆足も同様に行います。
大臀筋のストレッチ
次は、「大臀筋のストレッチ」について解説していきます!
大臀筋(だいでんきん)とは、お尻の筋肉のことです。お尻の筋肉も硬化すると、下半身の負担が大きくなり、膝の痛みの原因となります。
- まず、椅子を用意します。椅子の背もたれに両手をかけた状態で立ちます。
- その状態から、片方の膝を少し外に向けます。
- そして、外に向けていない側の、もう片方の足首を、外に向けた足の膝にかけます。
- 膝を外に向けた脚を曲げていき、お尻を突き出すような体勢で、身体を下げていきます。このときに、お尻の筋肉が伸びている感覚に意識を向けましょう。
- 無呼吸にならないよう注意しながら、30秒3セット行い、逆側も同じように行いましょう。
大腿筋膜張筋のストレッチ
次は、「大腿筋膜張筋のストレッチ」を紹介していきます!
大腿筋膜張筋とは、脚の付け根付近にある筋肉のことで、股関節を曲げたり、膝関節の伸ばしたりする役割を担っている、とても重要な筋肉です。
- 椅子を用意します。椅子の座る部分に片手をつき、もう片方の手で椅子の端を掴みます。
- その状態のまま、脚はクロスさせます。前側にある脚の膝を軽く曲げ、後ろ側にある足の外側も地面につけます。
- 前側の膝をゆっくりと、深く曲げていきます。後ろ足は、変わらず足の外側を地面につけたまま伸ばします。
- 足のつけ部分が伸びている感覚を大事にしましょう。
- 呼吸を止めないよう意識しながら、30秒キープを3セット行い、逆側も同様に繰り返します!
膝のお皿のストレッチ
最後に紹介するストレッチは、「膝のお皿のストレッチ」です。
膝のお皿もストレッチするの?と驚かれる人も多いと思いますが、膝のお皿には、関節包とと呼ばれる、関節を袋のように覆っている組織があり、関節包が硬くなることで、膝の痛みの原因となるので、見逃せないのです!
- まず、地面に座り、脚を伸ばします。力を抜いてリラックスした状態で伸ばしましょう。
- 両手の人差し指と親指で、膝のお皿をつまみ、左右に動かし、水平方向に動くかどうかを確認しましょう。
- 次に、左右だけでなく、上下、次は斜めと、全8方向に向かって、皿を動かしていきます。
- 両手親指で、お皿を上から5秒程度押します。
- お皿の全体を上から指圧していきます。
筋トレ
膝の痛みの原因は、実は下半身の太ももやスネの筋肉の衰えにあるので、筋トレを行って、鍛えておく必要があるのです。
では次に、いよいよ具体的な膝の痛み対策としての筋トレ方法を、部位別に詳しく紹介していきましょう!
もも前・大腿四頭筋の筋トレ
まず紹介するのは、「もも前・大腿四頭筋の筋トレ」です。
太ももの前側の筋肉群を大腿四頭筋と言います。大腿四頭筋は、膝の内側の動きを支えていて、筋力が低下すると、膝の内側の支える力の低下につながり、膝の内側に痛みを生じさせます。
ですので、しっかり鍛えて、膝の内側を支えられる筋力を維持していきましょう!
- まず、バスタオルを用意して丸めておきます。
- 地面にあぐらをかいた状態で座り、片方の脚をまっすぐ伸ばします。
- 伸ばした方の太ももの下に、丸めたバスタオルを入れます。
- 伸ばした足のつま先を天井に向けて、太ももでバスタオルを押しつぶすような感覚で、膝を伸ばしていきます。
- 呼吸をしながら10秒キープし、3セット行います。
- 逆も同様に行います。
ハムストリングの筋トレ
次に紹介するのは、「ハムストリングの筋トレ」です。
ハムストリングとは、太ももの裏にある筋肉のことです。太ももの裏の筋肉も膝関節とつながっているので、筋力の低下は膝の負担を大きくし、痛みにつながりやすいので、しっかりトレーニングしていきましょう!
- まず、地面にうつ伏せになります。脚は両方ともまっすぐ伸ばしましょう。
- その状態から、かかとをお尻につけるように、ゆっくりと時間をかけて膝を曲げていきます。このときに、太ももの裏側に力が入っている感覚に意識を向けましょう。
- お尻が浮かないように注意しながら、膝の曲げ伸ばしを繰り返します。
- 3秒かけて曲げ、3秒かけて戻すという行動を、10セット繰り返しましょう!
スクワット
次に紹介するトレーニングは、最も有名な筋トレの一つとも言える「スクワット」です!
スクワットは、膝に悪いというイメージが強く、繰り返し行うとかえって膝を痛くしてしまうという意見もありますが、正しいフォームでスクワットを行えば、膝に負担がかかることもなく、ましてや痛めることもありません。
そして、スクワットは、広範囲を鍛えられる効率的なトレーニングなので、積極的に取り入れましょう!
- まず、肩幅程度に足を広げて、直立します。
- お尻を後ろに引くようなイメージで、膝を曲げていきます。このときに、膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。
- 3秒かけて膝を曲げていき、3秒かけて元の状態に戻すという動作を10回繰り返します。
ランジ
次に紹介する筋トレは、「ランジ」と呼ばれるトレーニングです!
このランジも、スクワット同じように、太ももや背中、お尻の筋肉など、下半身の広い範囲を効率的に鍛えられるトレーニングです。
- まず、脚を肩幅程度に開いて直立します。
- 片方の足を大きく後ろに引きます。
- 膝を前方に向けたままの状態で、身体の重心を下げていくようなイメージで、ゆっくりと膝を曲げていきます。
- 後ろに下げた方の膝が地面に付く寸前まで下げます。このときに、上体が前に傾いたり、背中が曲がってしまうと、膝や腰に負担がかかるので、注意しましょう。
- 無呼吸にならないように注意をしながら、3秒かけて重心を落とす、3秒かけて元の状態に戻す、を3セット繰り返しましょう。
お尻の筋トレ
最後に紹介するのは、「お尻の筋トレ」です!
大臀筋(だいでんきん)と呼ばれるお尻の筋肉も、太ももやスネと同じように、膝を支えたり、関節の正常な動きに大きく関与しています。
ですので、お尻の筋肉も、筋力を低下させないように定期的に動かしてあげましょう!
- まず、地面に横向きになり、手をついて上体のみを起こします。
- 頭・肩・お尻・足首が一直線になるように、上体を起こしたら、下になっている足の膝を90度近くに曲げます。上の脚は、まっすぐ伸ばしましょう。
- 上の足のかかとを天井の方向に上げていきます。できる限り上げます。しかし、膝が曲がったり、腰が反ったりしないように注意しましょう。
- この足の上下運動を、10回3セット行います。
ランニングにおける膝の痛み:予防編
では次に、ランニングの大敵である膝の痛みを引き起こさないために、ランニングにおける膝の痛みの予防について見ていきましょう!
大好きなランニングを、好きな時にできるように日々の準備や取り組みについて、もう一度見直していきましょう!
自分に合ったシューズを履く
まず、膝の痛みを起こさないためにも、「自分に合ったシューズを履く」ことは重要な要素になります。
ランニングにおいて、やはりシューズ選びは大切です。
ついつい、見た目がカッコ良く、デザイン性に優れているシューズを選びたくなってしまいますが、身体のためにも機能性に関してもしっかりと考えてあげましょう。
高価なランニングシューズは、軽くて走りやすい分、クッション性に優れていないものも多くあります。
上級者向けのシューズは、走り方で体や膝への負担を低減させるという前提で作られているので、クッション性をあまり担保する必要がないからです。
ですので、膝が痛むという人は、まだ身体への負担を軽くする走り方が身についていない可能性が高いので、クッション性に優れたシューズを選びましょう。
準備運動をしっかり行う
基本的なことではありますが、「準備運動をしっかり行う」ことも、膝の痛み予防においてとても重要です。
ランニングを習慣にしている人は、意外とウォーミングアップや準備体操をおろそかにしている人が多いです。
なぜなら、走ることが準備体操も兼ねると思っているからです。
しかし、それは危険な考えです。
距離が極めて短く、身体に負荷もかけないような強度であれば、大きな負傷につながることは少ないですが、ランニングも少し距離を長めにとれば、十分に身体に負荷がかかる運動となります。
ですので、身体にある程度の負荷をかけても、筋肉や関節が傷まないように、しっかりと準備体操を行い、ウォーミングアップで身体を温め、運動に備えてあげることが重要なのです。
まとめ
最後に、記事の内容をおさらいしていきましょう!
- ランニングで膝が痛くなってしまった場合、まずは「アイシングをしながら安静に」して様子を見る。それでも、痛みが引かなったり、走るとたびたび痛み出す場合は速やかに病院へ行く
- ランニングにおける膝の痛みは、必ず原因がある。「片足スクワット」で、身体のバランスを調べてみることが原因究明につながる
- ランニングも身体に負荷がかかる運動。「準備体操」をしっかりとし、クッション性の高い「自分に合ったシューズ」を選ぶ