妊娠中の大敵足のむくみの原因とすべき対処の仕方

妊娠中の足のむくみの原因

妊娠中でも特に妊娠後期は、足のむくみが起こりやすくなります。妊娠後期に起こる足のむくみの原因は様々ありますが、まずは体内を巡る血液量が増加することです。

妊娠中は体内に取り入れた栄養や酸素を赤ちゃんにも送る必要があります。血流に乗って運ばれますが、妊娠後期は普段の体質と違ってサラサラした薄い血液になります。これに対して自律神経血管の影響から、血管の収縮弛緩が安定していない場合は、血管の壁がきつくなり、血管から血漿が染み出すことから足のむくみにつながります。

 

他には子宮が大きくなるので、股関節に当たる足の付け根を圧迫してしまいます。そのため、血液やリンパの流れが悪くなり、足がむくみやすくなります。大きなお腹を支える体型に変わるので、長時間の立ち姿勢や座り姿勢が続くと、足に疲れがたまりやすくなり、足がむくみやすくなってしまいます。

 

妊娠後期の足のむくみは注意が必要な場合も

妊娠後期に注意しておきたいのは、妊娠

高血圧症候群です。妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週から産後12週までに高血圧やむくみ、蛋白尿といった症状が起こる状態です。

 

特に、名前の通りに妊娠後期に高血圧になりやすく、むくみなどの体の症状が見られるようになります。血管が収縮されて赤ちゃんにつながる血流にも流れにくくなる悪影響が生まれます。そのため、母体と赤ちゃんの健康を維持するためにも、早期発見と早期対処が必要となります。兆候としては、足や手だけでなく顔にも出るむくみ具合が強くなってきたり、急激な体重増加が見られたり、ふらつきや頭痛が出てきたりするむくみ以外の症状が強くなってくると要注意です。定期的な妊婦検診を待たずに、医師の診察や血圧測定をお願いしましょう。

 

もう一つ注意しないといけないことは、「深部静脈血栓症」です。

これは、静脈に血栓（血のかたまり）ができ、血管の流れを阻害してしまう病気です。

症状としては、浮腫みのように足が腫れます。それに加えて、皮膚が赤く(赤黒く)腫れ熱をもちます。加えて痛みも生じます。徐々に症状が進行する場合もあるため気づかないうちに症状が悪化することもあります。

血栓が移動し、肺塞栓症などになるリスクがあるため注意が必要です。

 

妊婦さんの足のむくみ対策

妊婦さんの足のむくみ対策は、何か特別なことをしようとせずに、日常生活の中で取り入れられる簡単な方法で対策できます。

 

特に妊娠後期はお腹も大きくなって姿勢を支えるのも大変にはなりますが、むくみを解消して日々の体質も安定できるよう習慣化することも大切になります。4種類の方法でできるものから始めてみてください。

 

軽いマッサージ

 

むくみの改善によく行われる方法は、軽めのマッサージです。むくんだ部位には水分や老廃物が滞っている状態なので、マッサージをすることで流していく効果があります。

 

むくみ対策のマッサージ方法の基本は、足や腕の場合はむくみが見られる部位を心臓の方向に流すように行います。ふくらはぎなどの足の場合は、足から上半身に向かって擦り上げていくように行いましょう。

 

素肌で行う場合は、オイルなど潤滑油を使うこともおすすめです。誤っても、筋肉痛とは異なるので、もみほぐさないようにしましょう。

 

ここでの注意点は、先ほど説明した「深部静脈血栓症」が疑われる場合は、マッサージは禁忌となります。

気になる場合は医師に相談することをお勧めします。

 

ストレッチ

 

マッサージと同じく、ストレッチを行うこともむくみを取る方法の一つです。

 

足のむくみが見られる場合のむくみを取る方法は、絨毯などの上で胡坐で座るようにして、両足の裏側を付けた姿勢で、曲げた膝を上下に動かすようにします。このストレッチで、股関節を柔らかくする効果があり、妊娠後期に圧迫されやすい股関節を通る血流などを促進する効果があります。

 

また、仰向けの姿勢で両足の裏側を付けて股を開くように膝を開きます。座って行うのが辛い場合は、横になって行えるので体の負担も緩和されます。

 

ツボ押し

 

体の至る所にツボがありますが、足のむくみを緩和するツボを刺激する方法があります。

 

足の三里と呼ばれるツボで、その場所は脚のすねを見た時に、膝のすぐ下の少し外側部分にくぼみがあります。膝下から大体手の指4本分下側に当たるので、ツボをじっくり刺激してみましょう。

 

足の三里を刺激する時は、優しくでいいのでツボを押す面に対して垂直に押すようにしてください。極度に痛みを感じる押し方はしなく良いので、気持ちいいくらいの感覚で適度にプッシュするように試してみてください。

 

着圧ソックス

妊娠中のむくみは足に来ることが多いので、着圧ソックスを身に着けておくことも効果的です。

 

立ち姿勢や座り姿勢が長時間続くと、下半身に血液やリンパが滞ることが増えるので、足のむくみにつながってしまいます。日中起きている間は着圧ソックスを身に着けてふくらはぎに圧力が加わることで、むくみを緩和するだけでなく、血流を促進させる効果も期待できます。

 

ただし、体型やサイズに合っていないと、脚に余計な負荷がかかりすぎるので、脚を適度な強さで締めるソックスを選ぶようにしましょう。

 

足のむくみNG対策

様々ある足のむくみ対策の中で、やってはいけない方法もあります。例えば、強めのマッサージを行うことは、肌や筋肉を痛めてしまう恐れがあります。

 

他には、お風呂で40度を超えるような熱い湯に浸かるのも良くありません。体をリラックスさせるはずが、かえって疲労がたまることになるからです。

また、むくみを取ろうとして長湯する人もいますが、貧血やめまいを引き起こす原因にもなるので控えましょう。むくみ対策の良し悪しについては、産婦人科などの専門医に必ず確認をとって行うことが無難です。

 

サプリ・漢方などを摂取したいときは医師に相談

現在では、サプリや漢方などは、ドラッグストアなどで手頃な値段で簡単に手に入る時代になりました。メディアの情報などで、むくみ対策に良いとされる、おすすめのサプリや漢方が紹介されることもあります。けれども、どのような成分が含まれて、体に影響が出るかは個人差があります。特に妊娠期は摂取するものに注意を払わないといけないので、必ず医師に相談するようにしましょう。

まとめ

妊婦にとって体の異常に対して細かい気配りが必要ですが、妊娠後期にもなると大きなお腹を体で支える普段とは異なった生活を送ることになります。その中で、必ず足のむくみは大きなハードルになり、自己流で解決しようとすると、体に悪い影響を及ぼす場合もあります。

 

体の負担も考慮しながら、足のむくみを解消できるようにマッサージやストレッチだけでなく、摂取する物にも気を付けて生活することが大切です。ただし、妊娠期間は母体や赤ちゃんにとって、周囲の環境に神経質になる部分もあるので、気になることがあれば必ず医師に相談するようにしましょう。

 

最後に記事の内容をおさらい！

• 足のむくみは生活習慣だけでなく妊婦の体質変化も影響

 

• 日頃のむくみ対策にも良し悪しの境界を明確にする

 

• 病院で処方されていない物は必ず医師に相談する

 

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