
妊婦は坐骨神経痛になりやすい?原因や症状、対処法について徹底解説
年齢や性別に関わらず、多くの人の悩みの種となっている坐骨神経痛ですが、いくつかの要因があり、妊娠中の非常に多くの方が、坐骨神経痛に悩まされていることをご存知でしょうか?
この記事では、妊婦の坐骨神経痛について解説しました。
まず、妊娠中になぜ坐骨神経痛を発症しやすいのかについて解説し、症状についても説明します。
次に、治療方法の紹介や、対処法としてのストレッチやマッサージについて解説し、最後に自分で行える対処法として、姿勢の改善についても詳しく解説していきます。
目次
- 01妊娠中の坐骨神経痛の原因とは?
- 02症状
- 03治療方法
- 04ストレッチ・マッサージは大丈夫?
- 05痛みの対処方法
- 06まとめ
妊娠中の坐骨神経痛の原因とは?
妊娠中には、坐骨神経痛に悩まされる方が非常に多いのですが、その原因がどのようなところにあるのかについて解説していきます。
妊娠中の坐骨神経痛の原因はいくつかありますが、まず「お腹が大きくなること」は大きな要因の一つです。
お腹が大きくなると、身体がバランスを取ろうとして、腰が反りがちになります。
腰が反ると、腰に負荷がかかるだけでなく、神経を圧迫するので、坐骨神経痛に繋がりやすいのです。
また、「女性ホルモンと骨盤の影響」もあります。
女性の身体は妊娠すると、出産時に赤ちゃんが出て来やすいようにするために、リラキシンという女性ホルモンを出し、骨盤が少しずつ開くように調整されます。
しかし、開いた骨盤は神経を圧迫したり、骨盤を歪ませ、腰への負担を大きくしたりしてしまうので、坐骨神経痛の原因となりやすいのです。
症状
次は、妊娠中の坐骨神経痛の症状について解説をしていきます。
まず、妊娠中に発症する坐骨神経痛の初期症状としては、お尻の片側、もしくは両方に痛みや痺れを感じます。痛みの程度も、軽いものに留まります。
しかし症状が進んでいくと、痛みが出る範囲が広がっていきます。
お尻だけでなく、太ももやふくらはぎ、足先など下半身全体に広がります。
そしてさらに深刻化すると、痺れが出る箇所も足先まで広がっていきます。
また、坐骨神経痛の症状は妊娠中よりも産後の方が痛みやすいと言われています。
なぜなら、出産のために開いた骨盤が戻らなかったり、出産時に筋力が衰えたりするからです。
症状についても、痛みや痺れだけでなく、ふくらはぎが張ったり、冷えや熱感を帯びるなど、症状の種類が増える傾向があります。
治療方法
では次は、妊娠中の坐骨神経痛に対する治療法について解説していきます。
まず、痛みが強いときは鎮痛薬を服用したり、湿布を貼ったりします。しかし妊娠中なので、事前に医師へ相談することは必須です。
そして、坐骨神経痛への対処法は、自分で行えることが多くあります。
例えば、寝るときの体勢に気をつけたり、身体を冷やさないようにすることです。
うつ伏せで寝ると腰に負担がかかったり、神経が圧迫されたりします。
また、身体の冷えは血行を悪くし、坐骨神経痛を悪化させるので、冷やさないよう注意しましょう。
そして、なるべく歩くことを心がけたり、良い姿勢を意識することも重要です。
歩くことは、筋肉の緊張状態を解消する手助けになりますし、姿勢を良くして、腰への負担をなるべく軽減することも坐骨神経痛の改善に繋がります。
ストレッチ・マッサージは大丈夫?
坐骨神経痛には本来、マッサージやストレッチが効果的です。
梨状筋などの筋肉が凝ったり固まったりする緊張状態が、坐骨神経痛の原因となるので、筋肉をほぐし血行をよくするマッサージとストレッチが坐骨神経痛の改善につながるからです。
しかし、妊娠中のマッサージは、特に初期においてはリスクが高いため、避けておくべきでしょう。
ストレッチは、妊娠中だと取れない体勢も多いので、医師やトレーナーに相談しながら行うと良いでしょう。
痛みの対処方法
妊娠中は、どうしても坐骨神経痛にかかりやすいので、発症後にどう対処するかを知っておくことも、とても重要です。
そこでこの章では、坐骨神経痛の大きな要因にもなる「姿勢」という観点から、痛みへの対処方法を紹介していきます。
姿勢の改善
妊娠中の方が、坐骨神経痛を改善するために、姿勢を良くすることは非常に重要です。
なぜなら、妊娠すると体型に大きな変化が出るので、無意識のうちに身体のどこかに負荷がかかる姿勢をとっていることが多いからです。
特に、立っているときに、腰を反らさないようにすることが大切です。
腰を反ることは反り腰といって、腰に大きな負荷をかけてしまう体勢です。
また、左右のどちらか一方のみに重心をかけることも避け、立っている時、そして歩いている時なども常に左右均等を心がけましょう。
ラクな座り方
次は、坐骨神経痛の妊婦の方におすすめのラクな座り方を紹介していきます。
椅子・床どちらに座る場合においても、「骨盤を立てる」意識がとても大切です。
椅子に座る場合に骨盤を立てるためには、坐骨を左右均等に座面に当て、前にも後ろにも傾けないことが重要です。
うまく骨盤を立てて座れない場合は、タオルやクッションを骨盤の下に挟むと良いでしょう。
床に座る場合は、あぐらでも正座でもラクな方で構わないので、前後左右に傾いた座り方はしないように気をつけましょう。
ラクな寝方
最後に、妊婦の方におすすめの寝方を紹介します。
妊娠中は、とても反り腰になりやすい状況なので、膝を伸ばして仰向けにまっすぐ寝ていると、反り腰に拍車をかけてしまう恐れがあります。
そのため、仰向けで寝たい場合は、膝を伸ばさずに軽く曲げた状態にするか、膝下にクッションや枕を挟み、膝を立てた状態で寝ると、腰とベッドとの隙間が埋まり、反り腰にならずに済むのでおすすめです。
また、坐骨神経痛の症状が左右のどちらか一方のみに出ている場合は、痛む方を上にして膝の間にタオルやクッションを挟む寝方も、痛みが出にくい寝方です。
まとめ
最後に、記事の内容をおさらいしていきましょう!
- 妊娠中に坐骨神経痛を発症しやすい主な原因は、お腹が大きくなることによる姿勢の悪化と、ホルモンバランスの変化による骨盤の開きなどがある。
- 症状としては、初期は軽い痛みが出るだけだが、進行するにつれて、痛みが出る範囲が広がっていき、痺れも出るようになる。筋肉や骨盤の影響で、妊娠中よりも産後の方が症状が深刻化する人が多い。
- 治療方法としては、痛み止めを服用したり湿布を貼る方法もあるが、立つ・座る・寝るなどの日常的な姿勢の改善も非常に重要。