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Interview

【騎手・戸崎圭太】「またあの馬に乗って大きなレースに挑みたい」大怪我から学んだパフォーマンスを高めるこだわりの健康維持法

 

スポーツ・ビジネス・アート・カルチャーなど各分野で挑戦を続けるプロフェッショナルが、自分の身体にどのように向き合い、どのようにポテンシャルを発揮しているのか。
ご自身のライフスタイルで実践されている「コンディショニング※」についてお伺いします。

 

今回は、騎手の戸崎 圭太さんに、ご自身のコンディショニングの方法やジョッキーとしてのルーティンについてお話を伺いました。

 

※TENTIALが定義するコンディショニングはライフパフォーマンス向上のために、体調に関わる全ての要因を良い状態に整えること

ジョッキーの日々のルーティン

 

── ジョッキーの日々のルーティンはどんな感じなのか、とても気になります。

 

それぞれのジョッキーによって違うと思いますが、僕の場合は週に数日「攻め馬(馬の調教のこと)」を朝行います。3時間くらいの間に3、4頭やる。昔、地方競馬場にいた頃は15頭とか連続で「攻め馬」をしていました。

 

── それって相当な運動量ですよね?

 

そうですね。土日はレースなので、月曜日にちょっと自主トレみたいなことをやっています。ジョギングを30分くらいだったり、体幹のトレーニングだったり基礎的な部分。それだけでリラックスにもなるというか、リフレッシュにもなるんで。

 

あと、瞑想もやりますね。いわゆるマインドフルネスと呼ばれるもの。最初は「いったい俺は、なにをやっているんだろう?」なんて思っていたこともありますが、続けていくと本当に気持ちよくなってきました。

 

── 2019年、JBCレディスクラシックでの落馬による大怪我をされ、約半年という長期休暇の後に復帰するもなかなか調子が出なくて大変だったとお聞きしました。

 

その時の怪我はかなり大きく、神経もやられてしまって手も握れない状態だったんです。本当に復帰できるか分からないままリハビリを続けるのは確かにきつかったのですが、「とにかく今できることをやるしかない」という気持ちで祈りながら日々続けていましたね。ただ、「続けること」それ自体はそんなに苦ではなかったんですよ。

僕、小学校四年から中学校三年まで野球をやっていたのですが、ずっと補欠で。だけど、なんか絶対にレギュラーになれる気持ちでい続けたんですよね(笑)。中学校3年生くらいまで「プロ野球選手になれる」とさえ信じていたんです。そういう楽観的な考えの持ち主なので、周りからしたら苦境と思うような状況でも平気なのかもしれない。

 

── ポジティブな性格なのでしょうか。

 

多分あんま先のことを考えるより、「今やることに集中する」「とにかくコツコツとやる」のが大事だと思っていて。

 

あとは、やっぱり馬との絆というか。リハビリしていて「しんどいな」と思いながらも、「またあの馬に乗って大きなレースに挑みたい」という気持ちで頑張れた部分もありますね。

 

── これまでたくさんの馬との出会いがあり、それぞれにドラマがあったのでしょうね。歓声と怒号が飛び交う大観衆の前で馬に乗るのは相当なプレッシャーかと思うのですが、どうやって平常心を保っておられるのでしょうか。

 

僕はもともとすごく緊張する方で、もうそういう大きなレースじゃなくて、もう一レースとか二レースとかでもゲートの中に入って、スタートを切る瞬間とか本当に心臓が飛び出しそうになります(笑)。

 

相手も生き物だから、なにを考えているのか分からないし、その時の気分や体調にも左右されますし。最近は少しずつ慣れてきて、緊張も随分なくなってきてはいますけどね。

 

── 馬との信頼関係もより強くなっていったのでしょうね。

 

それもあります。もしスタートをミスしたりとか、レースでうまくいかなかったりした時であっても、それも今の自分のスキルというか。運命みたいなところもありますし、年を重ねていく中で、それを受け入れることができるようになってから、少し見え方が変わってきたように思いますね。

 

 

蕁麻疹がきっかけでグルテンフリーを実践

 

── 戸崎さんは、ライフスタイルの中でコンディショニング(健康維持)をどのくらい意識されていますか?

 

一番大きなところはグルテンフリー、小麦を抜くことをしています。それを始めたのは6、7年前ですね。

 

最初の2年間は、調味料から何から全て小麦粉の入っていない食材を使っていました。そのため、僕よりも妻の方が苦労したと思います。今は調味料に関してはそこまで厳密にはしていませんが、基本的に小麦は摂取しないようにしています。

 

── グルテンフリーを始めたきっかけは?

 

当時の僕は体調があまり良くなくて、ときどき蕁麻疹が出てしまう状態だったんです。

 

そのことをトレーナーに相談した際、「おそらく腸の活動が弱まっている」という話からグルテンフリーを勧められました。

小麦が使われているものは一切食べないわけですから、パンや麺類、揚げ物などは避けるようにして。実は醤油にも小麦とか普通に入っているので、入っていないものに替えるなどしていました。

 

僕らジョッキーはレースの前に寮に入らなければならないのですが、その時も自分で調味料は持っていったり、食堂で料理してくれる方たちに「小麦を使わないでもらえますか?」と相談しに行ったりしていましたね。

 

── 効果はありました?

 

何より大きかったのは、昼間に眠くならなくなったことです。

 

僕、車の助手席とかに乗っていると眠くなってうとうとしてしまったり、お昼になるとぼーっとする感じが抜けなかったりすることが多かったのですが、それが一切なくなりました。常にクリアでスッキリした感じが続きました。それは本当に嬉しかったですね。

 

── グルテンフリーは今も続けているのですね?

 

はい。人によっては性格も変わるくらい、グルテンフリーの影響は大きいらしくて。確かにイライラすることも減った気がします。

 

ただ、ラーメンとか大好きなので……たまには「ご褒美」と思って食べちゃいますね(笑)。だってパスタやピザ、サンドウィッチにとんかつと、美味しいものには大抵小麦が入っていますから。

 

サプリメントにもこだわっています

 

 

── 少し緩めのルールにしておいた方が、ストレス発散にもいいかもしれないですね。食生活の部分で他に気をつけてらっしゃることは?

 

タンパク質やミネラル、ビタミンなど身体にとって大切な栄養はサプリメントでも補うようにしています。

 

例えば、腸内細菌を増やす「アルベックス ALBEX 乳酸菌生成エキス サプリメント」や、夏バテ防止に最近取り入れた「マイプロテイン クレアチン」、ビタミン剤は「Lypo-C Vitamin C+D」を常用しています。塩はミネラルがたっぷり入った天然塩で、プロテインは「ニューサイエンス ヘンププロテイン」。

 

あと、基礎体温を上げると言われているスパイス「ヒハツ」や、免疫力を上げる効果があるとされている「ターメリック」などもよく使っていますね。この辺りはトレーナーからいろいろ教わり、試していく中で自分に合っているものが残っていった感じです。

 

── 「腸活」なんていう言葉が流行ったり、「第二の脳」などと言われたりしていますが、やはり腸を整えることは大事ですか?

 

そう思いますね。腸壁って簡単にいうと網状になっていて、腸の調子が良くないとその網が緩くなり、その隙間から体に悪いものが漏れ出てしまうらしいんですよ。その網状の腸壁を引き締め、悪いものが体に漏れ出さないようにすることが健康の秘訣だといわれています。

 

── コンディションを整え、翌日のパフォーマンス向上のためにも睡眠は大切にされていますか?

 

していますね。1日8時間は寝るようにしています。ただ仕事柄、3時とか4時に起きなければならない時があって、逆算すると19時には就寝しなければならなくなる。

 

それは難しいので、昼間に仮眠などして調整しています。睡眠時間って、人によってちょうどいい長さがあると思うんですよ。人によってはもっと必要な場合もあるし、5時間くらいでちょうどいい人もいる。それは自分で見つけていくものなのかなっていうのは思っています。

 

TENTIALについて

 

 

── 睡眠の際、TENTIALの「BAKUNE」を着用されているそうですね。

 

はい。2年ほど前、ジョッキー仲間から勧められて取り寄せました。もちろん、科学的にもいろいろ考えて作られていると思うんですけど、僕は感覚派なのでその辺は全く詳しくなくて(笑)。

 

でも着てみただけで、「これは素晴らしい」と肌で感じましたね。とにかく着心地が良くて、軽くて着ている感じがしない。

 

その後、普段着として「MIGARU」も購入したのですが、こちらもサイズ感や生地の質感が最高で。本当に愛用させていただいています。デザインもシンプルで、ロゴがワンポイントで入っているのも好き。

 

あと、冬場はリカバリーサンダルも履いています。寝具ではマットレスや枕もあるんですよね。その辺りのラインナップも気になるので、チェックしてみるつもりです。

 

 

SELECTED ITEM

【RENEWAL】BAKUNE
上下セット(スウェットシャツ・スウェットパンツ)

 

戸崎 圭太

騎手

戸崎 圭太

KEITA TOSAKI

1999年にデビュー。若手時代から存在感を放ち、2008年に306勝をマークし初めて地方全国リーディング獲得。2011年には安田記念を制して初のJRAG1勝ち、2013年3月から中央入りを果たした。2019年にはJRA通算1,000勝を達成。NARとのダブル1,000勝は史上4人目。
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