筑波大学蹴球部の組織運営とTENTIALとの取り組み|小井土正亮(筑波大学蹴球部監督)
今回は筑波大学蹴球部の小井土正亮監督に、組織運営について、ビジネスチックな運営をしている理由や、TENTIALとの取り組みついてお話していただきました。後半では小井土監督の考えるリカバリーについてもお聞きしています。
今回は筑波大学蹴球部の小井土正亮監督に、組織運営について、ビジネスチックな運営をしている理由や、TENTIALとの取り組みついてお話していただきました。後半では小井土監督の考えるリカバリーについてもお聞きしています。
プロフィール:
小井土 正亮(こいど まさあき)
筑波大学 蹴球部 監督
筑波大学 体育系 助教
プロフィール:
小井土 正亮(こいど まさあき)
筑波大学 蹴球部 監督
筑波大学 体育系 助教
筑波大学とTENTIALの取り組み
---去年(2022年)から継続してTENTIALとスポンサー契約を結んだ背景を教えてください。
私たちの「こういうことやりたいと思ってるんですよ。」という要望に対して「いいですね。ぜひ一緒にやりましょう。」とおっしゃってくださるからです。 私たちはやりたいことがいっぱいある中で、景品など、イベントに参加してくれた人に喜んでもらえるようなものを用意するとなると、なかなかスピーディーに動けないこともあります。そんな中でTENTIALはアクションの早さがスピーディーで、すぐに「いいですね。やりましょう」と対応してくれます。そういったお互いのフットワークの軽さが凄くやりやすいですし、私たちがTENTIALに何か協力したいという想いもあり、継続の判断をしました。
---去年(2022年)から継続してTENTIALとスポンサー契約を結んだ背景を教えてください。
私たちの「こういうことやりたいと思ってるんですよ。」という要望に対して「いいですね。ぜひ一緒にやりましょう。」とおっしゃってくださるからです。 私たちはやりたいことがいっぱいある中で、景品など、イベントに参加してくれた人に喜んでもらえるようなものを用意するとなると、なかなかスピーディーに動けないこともあります。そんな中でTENTIALはアクションの早さがスピーディーで、すぐに「いいですね。やりましょう」と対応してくれます。そういったお互いのフットワークの軽さが凄くやりやすいですし、私たちがTENTIALに何か協力したいという想いもあり、継続の判断をしました。
---今後TENTIALとどんなことを実現したいか教えてください。
現在は現役部員に対して、ウエアを提供していただいてリカバリーに活かすというのをさせてもらっています。そんな中で、例えば三笘など、筑波大学を卒業したプロサッカー選手が大学の時からTENTIALの製品を使っていたら、それはTENTIALにとっていい効果を提供できると思います。さらにその選手が日本代表に入って活躍すればさらにいい効果をもたらすことができるのではないかと思っています。 部として一緒にやっていくということだけじゃなく、選手個人と一緒に成長できれば、選手自身やTENTIALからしてもいいのかなと思いますね。
---今後TENTIALとどんなことを実現したいか教えてください。
現在は現役部員に対して、ウエアを提供していただいてリカバリーに活かすというのをさせてもらっています。そんな中で、例えば三笘など、筑波大学を卒業したプロサッカー選手が大学の時からTENTIALの製品を使っていたら、それはTENTIALにとっていい効果を提供できると思います。さらにその選手が日本代表に入って活躍すればさらにいい効果をもたらすことができるのではないかと思っています。 部として一緒にやっていくということだけじゃなく、選手個人と一緒に成長できれば、選手自身やTENTIALからしてもいいのかなと思いますね。
---今後、筑波大学とTENTIALでどんなことに取り組みたいですか?
筑波大学蹴球部の学生や少年サッカーをやっている子供にTENTIAL商品のモニターを行って、商品開発の力になれればと思いますね。より良いものを作りたいというTENTIALの想いに対して、サッカーをしてる健康な成人男性からデータを取ってもらって、そこで協力できればと思っています。 今は筑波大学蹴球部からの提案に対して、TENTIALが協力するという関係だけど、TENTIALから提案をもらえれば、我々には人と場所があるので、そこで協力出来ればサポートしていきたいですね。
---今後、筑波大学とTENTIALでどんなことに取り組みたいですか?
筑波大学蹴球部の学生や少年サッカーをやっている子供にTENTIAL商品のモニターを行って、商品開発の力になれればと思いますね。より良いものを作りたいというTENTIALの想いに対して、サッカーをしてる健康な成人男性からデータを取ってもらって、そこで協力できればと思っています。 今は筑波大学蹴球部からの提案に対して、TENTIALが協力するという関係だけど、TENTIALから提案をもらえれば、我々には人と場所があるので、そこで協力出来ればサポートしていきたいですね。
筑波大学蹴球部の組織運営について
※筑波大学蹴球部は選手全員が所属している『局』と、選手が自主的に所属している『チーム』というものがあります。『局』には運営局、審判局など。チームにはパフォーマンスチーム、普及チームなどがあり、選手各々の得意分野を活かして、TOPチームの勝利と蹴球部の発展を目指し、活動しています。
※筑波大学蹴球部は選手全員が所属している『局』と、選手が自主的に所属している『チーム』というものがあります。『局』には運営局、審判局など。チームにはパフォーマンスチーム、普及チームなどがあり、選手各々の得意分野を活かして、TOPチームの勝利と蹴球部の発展を目指し、活動しています。
---局活動とチーム活動に取り組むきっかけや理由を聞かせてください。
私が2014年に着任して、その年に関東大学サッカーリーグで戦後初めて2部に落ちてしまったときに、教員一人の力で引っ張りあげるのではなく、やれることをみんなでやる事が必要だと感じたからですね。 筑波大らしい一人一人の強みを活かしたチーム作りをしていくことが2部から1部に上がるために必要な力になるし、部員にとってもただサッカーをするのではなく、学問とサッカーを繋げてパフォーマンスアップしていくというのは一番合理的だと思っていました。また、やらなきゃいけないというシチュエーションに追い込まれたというのもきっかけとしてはあると思います。 私がもともとアナリストとして分析の仕事をやってたこともあったので、分析を班にして学生と一緒にやる事から活動が始まりました。その後派生的にメンタル班やトレーニング班が立ち上がって行ったという流れですね。
---局活動とチーム活動に取り組むきっかけや理由を聞かせてください。
私が2014年に着任して、その年に関東大学サッカーリーグで戦後初めて2部に落ちてしまったときに、教員一人の力で引っ張りあげるのではなく、やれることをみんなでやる事が必要だと感じたからですね。 筑波大らしい一人一人の強みを活かしたチーム作りをしていくことが2部から1部に上がるために必要な力になるし、部員にとってもただサッカーをするのではなく、学問とサッカーを繋げてパフォーマンスアップしていくというのは一番合理的だと思っていました。また、やらなきゃいけないというシチュエーションに追い込まれたというのもきっかけとしてはあると思います。 私がもともとアナリストとして分析の仕事をやってたこともあったので、分析を班にして学生と一緒にやる事から活動が始まりました。その後派生的にメンタル班やトレーニング班が立ち上がって行ったという流れですね。
---実際に取り組んでみてどう思いました?
筑波大学の場合、部員が180人ほど居て、一つの蹴球部として活動しているというより、それぞれのチーム(1軍2軍3軍など)ごとで活動しているような感じがありました。 そこから、5軍、6軍の1〜2年生がトップチームの試合の2日前のミーティングでプレゼンするようになり、試合に出ていなくてもチームに貢献できているという実感を持てるようになってきたというのは感じています。 また、一生懸命やってるうちに「サッカーってこういう風なんだ」とサッカーの理解が増していくことも良い効果だったと思います。みんながサッカーについて話せるようになり、そういう場ができて本当に良かったなと思います。まずはクラブとしての一つの方向性を部署活動を通してできてきたというのは大きいです。 あとは「こういうこともできるのか」という驚きがあり、楽しませてもらっていますね。例えばサッカーアナライザーをエクセルのマクロで作るなどです。そういった難しいことを工学系の学生は目的さえあればやってくれます。そういったことを見ながら楽しませてもらっています。
---実際に取り組んでみてどう思いました?
筑波大学の場合、部員が180人ほど居て、一つの蹴球部として活動しているというより、それぞれのチーム(1軍2軍3軍など)ごとで活動しているような感じがありました。 そこから、5軍、6軍の1〜2年生がトップチームの試合の2日前のミーティングでプレゼンするようになり、試合に出ていなくてもチームに貢献できているという実感を持てるようになってきたというのは感じています。 また、一生懸命やってるうちに「サッカーってこういう風なんだ」とサッカーの理解が増していくことも良い効果だったと思います。みんながサッカーについて話せるようになり、そういう場ができて本当に良かったなと思います。まずはクラブとしての一つの方向性を部署活動を通してできてきたというのは大きいです。 あとは「こういうこともできるのか」という驚きがあり、楽しませてもらっていますね。例えばサッカーアナライザーをエクセルのマクロで作るなどです。そういった難しいことを工学系の学生は目的さえあればやってくれます。そういったことを見ながら楽しませてもらっています。
---組織運営を通して一番学生に得て欲しいものは何でしょうか?
やってみて良かったなっていうのは後から分かることで、まずやってるうちは楽しんで取り組んでほしいと思っています。 やる以上真剣にやらないと本当の楽しさはわからないので、本気で取り組んでやってみたらなんかすごい力が付いていたみたいな風になってほしいなと思っています。 また最近学生に言っているのは、やりたい・やりたくないよりも、まず入ってやってみて、「ちょっと つまんないな」「違うな」と思ったらやめればいいという事ですね。むしろやったことないことにトライするような場になってほしいと思っています。 まずやってみて「これを本気でやったらこんな面白いのか」「やってみて楽しかったな」と思ってほしいですね。
---組織運営を通して一番学生に得て欲しいものは何でしょうか?
やってみて良かったなっていうのは後から分かることで、まずやってるうちは楽しんで取り組んでほしいと思っています。 やる以上真剣にやらないと本当の楽しさはわからないので、本気で取り組んでやってみたらなんかすごい力が付いていたみたいな風になってほしいなと思っています。 また最近学生に言っているのは、やりたい・やりたくないよりも、まず入ってやってみて、「ちょっと つまんないな」「違うな」と思ったらやめればいいという事ですね。むしろやったことないことにトライするような場になってほしいと思っています。 まずやってみて「これを本気でやったらこんな面白いのか」「やってみて楽しかったな」と思ってほしいですね。
---筑波大学の組織図は1つの会社のようになってると思っているのですが、なぜビジネスチックに組織を運営しているのでしょうか?
みんながいい経験をして社会へ出ていくためにどういうやり方をするべきなのかと試行錯誤してたらこうなったというだけですね。最初からみんなに社会勉強をしてもらうために、「そのためにはこのシステムが必要だからこういうやり方をして」とはめているということではないです。 結果的に社会に出たときに役立つようなスキルが自然と身についていると思うけど、そこまで意図してやってるかというと違います。どちらかというと私がいなくても組織が回っていく状態を作っています。 また、見張られてる状態で活動しても楽しくないので、権利を与えて、各部署からどんどん面白いものが出てくるようにしていかなければならないというのはありますね。
---筑波大学の組織図は1つの会社のようになってると思っているのですが、なぜビジネスチックに組織を運営しているのでしょうか?
みんながいい経験をして社会へ出ていくためにどういうやり方をするべきなのかと試行錯誤してたらこうなったというだけですね。最初からみんなに社会勉強をしてもらうために、「そのためにはこのシステムが必要だからこういうやり方をして」とはめているということではないです。 結果的に社会に出たときに役立つようなスキルが自然と身についていると思うけど、そこまで意図してやってるかというと違います。どちらかというと私がいなくても組織が回っていく状態を作っています。 また、見張られてる状態で活動しても楽しくないので、権利を与えて、各部署からどんどん面白いものが出てくるようにしていかなければならないというのはありますね。
---他の学校もこのようなスタイルで運営していたりするのでしょうか?
そうですね。先日、島原遠征に行って、高川学園や鹿児島城西の先生に会ってお話をしたのですが、高校生でも部署活動のようなものを取り入れて活動してくれてるみたいです。 鹿児島城西の方は37~38歳で高川学園の方もそれぐらいの世代の指導者の方なのですが、新しい世代の指導者の方は目の前の子ども達がどうやったらサッカーを通じて一人前になるか、幸せになるかなど、そっちにも目を向けている方もいます。そういう発想の指導者の方が増えてきている中で、部署活動みたいなものが合っているのかなというのはありますね。
---他の学校もこのようなスタイルで運営していたりするのでしょうか?
そうですね。先日、島原遠征に行って、高川学園や鹿児島城西の先生に会ってお話をしたのですが、高校生でも部署活動のようなものを取り入れて活動してくれてるみたいです。 鹿児島城西の方は37~38歳で高川学園の方もそれぐらいの世代の指導者の方なのですが、新しい世代の指導者の方は目の前の子ども達がどうやったらサッカーを通じて一人前になるか、幸せになるかなど、そっちにも目を向けている方もいます。そういう発想の指導者の方が増えてきている中で、部署活動みたいなものが合っているのかなというのはありますね。
---筑波大学の蹴球部がモデルになっているのですね。
恐らくそうですね。ただ「筑波大学だからできるでしょ」というのも、もちろんあると思います。筑波大学だから色んな機材もあるし、部員数が多いから実現できることもあります。 「筑波大学だからできるでしょ。」と言われればその通りだけど、高校生なら高校生なりのレベル、また地域を生かした取り組みを行っているのをすごく感じますね。部署活動のようなものがどんどん広がっていくといいなと思っています。
---筑波大学の蹴球部がモデルになっているのですね。
恐らくそうですね。ただ「筑波大学だからできるでしょ」というのも、もちろんあると思います。筑波大学だから色んな機材もあるし、部員数が多いから実現できることもあります。 「筑波大学だからできるでしょ。」と言われればその通りだけど、高校生なら高校生なりのレベル、また地域を生かした取り組みを行っているのをすごく感じますね。部署活動のようなものがどんどん広がっていくといいなと思っています。
---TENTIALはValueにDynamic・Essential・Buddyというものを掲げています。 筑波大学蹴球部の組織運営は、TENTIALのValueに近いものを感じていますが、いかがでしょうか? もし近いものを感じて頂けていれば、具体的に(筑波大学蹴球部の)どのようなところがDynamic・Essential・Buddyに近いでしょうか?
---TENTIALはValueにDynamic・Essential・Buddyというものを掲げています。 筑波大学蹴球部の組織運営は、TENTIALのValueに近いものを感じていますが、いかがでしょうか? もし近いものを感じて頂けていれば、具体的に(筑波大学蹴球部の)どのようなところがDynamic・Essential・Buddyに近いでしょうか?
Dynamic(ダイナミック)という部分で言うと、先ほどお話した「まずはやってみようよ」というスタンスに近いものを感じています。せっかく筑波大学に来て4年間トライアンドエラーできる、失敗しても許される環境に来たのだから、なんでトライしないんだというスタンスで接しているので、このDynamic(ダイナミック)というところは非常に通じますね。 例えば2022年のワールドカップで活躍した三笘はあえて筑波大学を選んで、試行錯誤して4年後に一つのゴールを迎えて翌年からプロで活躍しています。それを見ると、Dynamic(ダイナミック)な行動の成果が、一人のプレイヤーとして出たのかなと思います。 Essenntial(エッセンシャル)に関しても、私たちはアカデミックな組織なので、研究や教育を通じて、「偽物の情報に惑わされることなくちゃんと自分で調べよう。」ということや「自分で考えよう。」ということを大事にしてるのは共通する部分だと思っています。 Buddy(バディ)でいうと、人柄も含めてみんなに愛されるような人材に育ってほしいなと思って学生に接しています。やはり「人から応援されないで何がプロ選手だ。」と思いますし、逆に言うと「プロ選手になったからってなんだ。」と思っています。「人から信頼もされないでどうやって生きていくんだ。」というスタンスで接してるつもりなので、そこは指導の信念として取り組んでいます。
Dynamic(ダイナミック)という部分で言うと、先ほどお話した「まずはやってみようよ」というスタンスに近いものを感じています。せっかく筑波大学に来て4年間トライアンドエラーできる、失敗しても許される環境に来たのだから、なんでトライしないんだというスタンスで接しているので、このDynamic(ダイナミック)というところは非常に通じますね。 例えば2022年のワールドカップで活躍した三笘はあえて筑波大学を選んで、試行錯誤して4年後に一つのゴールを迎えて翌年からプロで活躍しています。それを見ると、Dynamic(ダイナミック)な行動の成果が、一人のプレイヤーとして出たのかなと思います。 Essenntial(エッセンシャル)に関しても、私たちはアカデミックな組織なので、研究や教育を通じて、「偽物の情報に惑わされることなくちゃんと自分で調べよう。」ということや「自分で考えよう。」ということを大事にしてるのは共通する部分だと思っています。 Buddy(バディ)でいうと、人柄も含めてみんなに愛されるような人材に育ってほしいなと思って学生に接しています。やはり「人から応援されないで何がプロ選手だ。」と思いますし、逆に言うと「プロ選手になったからってなんだ。」と思っています。「人から信頼もされないでどうやって生きていくんだ。」というスタンスで接してるつもりなので、そこは指導の信念として取り組んでいます。
筑波大学での三笘選手への指導
---三笘選手のお話をしていただきましたが、三笘選手に対して、具体的にどういった事を指導していたのでしょうか?
他の学生・選手とかわらないです。特別に指導していたことは何もないですね。例えば試合ですぐ使ったかというと使っていないです。筑波大学蹴球部としてのプレーの基準や、やるべきことはブラさずに、しかし可能性を狭めないようにしていました。彼がなりたい姿を応援する方法として、それしかしていなかったです。
---三笘選手のお話をしていただきましたが、三笘選手に対して、具体的にどういった事を指導していたのでしょうか?
他の学生・選手とかわらないです。特別に指導していたことは何もないですね。例えば試合ですぐ使ったかというと使っていないです。筑波大学蹴球部としてのプレーの基準や、やるべきことはブラさずに、しかし可能性を狭めないようにしていました。彼がなりたい姿を応援する方法として、それしかしていなかったです。
---三笘選手だけの指導ではなく、どの選手に対しても基準をベースに指導していたということなのですね。「三笘選手だから」という風にコミュニケーションを変えようというのはあったのですか?
三笘はフロンターレでもエースで10番で活躍していた選手ですが、言ってしまうと、「だから何だよ?」と思っています。厳しく言うときは他の学生にも言うし、三笘にも言います。そこは変えたつもりはないです。 ただ他の学生含め、余白みたいなものは作っていました。昔も今もそうですが、チームの練習を10のうちの7ぐらいにして、残りの3は自分で考えて使ってもらっています。その3の使い方で伸びる学生もいるだろうし停滞する学生もいると思います。その余白は三笘だけではなくて、全員に対して残しておくというところはあります。むしろそうしないとサッカー選手は伸びないだろうなというのが強いですね。
---三笘選手だけの指導ではなく、どの選手に対しても基準をベースに指導していたということなのですね。「三笘選手だから」という風にコミュニケーションを変えようというのはあったのですか?
三笘はフロンターレでもエースで10番で活躍していた選手ですが、言ってしまうと、「だから何だよ?」と思っています。厳しく言うときは他の学生にも言うし、三笘にも言います。そこは変えたつもりはないです。 ただ他の学生含め、余白みたいなものは作っていました。昔も今もそうですが、チームの練習を10のうちの7ぐらいにして、残りの3は自分で考えて使ってもらっています。その3の使い方で伸びる学生もいるだろうし停滞する学生もいると思います。その余白は三笘だけではなくて、全員に対して残しておくというところはあります。むしろそうしないとサッカー選手は伸びないだろうなというのが強いですね。
---三笘選手の現在の活躍を見て、筑波大学で学んだことが活かされていると感じる点はありますか?
当時、三笘は1年生の試合に出れていませんでした。そこから、どうやったら試合に出れるかというのを考えて、一対一を磨き、体を作り、怪我をしないような体にして、どんどん成長していったのは自分で掴んだものです。今の三笘が直面していると感じている課題と大学1年生の時の課題は当然違うと思いますが、課題を自己分析してどうやったらそれが解決できるのかを考えて実行する。またそのサイクルを回していくというのは大学の時に掴んだのではないかと思いますね。
---三笘選手の現在の活躍を見て、筑波大学で学んだことが活かされていると感じる点はありますか?
当時、三笘は1年生の試合に出れていませんでした。そこから、どうやったら試合に出れるかというのを考えて、一対一を磨き、体を作り、怪我をしないような体にして、どんどん成長していったのは自分で掴んだものです。今の三笘が直面していると感じている課題と大学1年生の時の課題は当然違うと思いますが、課題を自己分析してどうやったらそれが解決できるのかを考えて実行する。またそのサイクルを回していくというのは大学の時に掴んだのではないかと思いますね。
小井土監督の考えるリカバリー
---小井土監督自身はプロサッカー選手として現役でもプレイしていたと思うのですが、今は監督という立場で指導していると思います。選手としてプレーしていたときのリカバリーに対する考え方と監督になったときのリカバリーの考え方に変化はありましたか?
私たちの世代は一生懸命トレーニングするのは当たり前だけど、リカバリーに対する知識というのが、今思うとものすごい低かったと思います。試合が終わったからといってお酒を飲みに行ったり、次の日がオフだから今日は夜更かしできるという考えがあったりしました。 当時はそれが当たり前で、例えばアクティブレストと言われても、よくわからない概念で、「休みは休みでしょう」と思っていました。高校、大学、プロに行った頃はそのような意識で、リカバリーに対してそんなに理解をしていなかったけど、指導者になってみて、運動制約などを学べば学ぶほど、トレーニングと同等もしくはそれ以上にリカバリーは重要になっていると感じています。 それはフィジカル的なリカバリーだけでなく、メンタル的や頭の中のリカバリーもしないといい成長はないというのは確信になっています。ケガのリスクという面でもここ数年は筋肉系のケガはほとんどないです。打撲や捻挫など、どうしようもないケガはもちろんありますが。怪我のリスクという面でもリカバリーは本当に大事だと、指導者になって勉強をしてすごく感じました。
---小井土監督自身はプロサッカー選手として現役でもプレイしていたと思うのですが、今は監督という立場で指導していると思います。選手としてプレーしていたときのリカバリーに対する考え方と監督になったときのリカバリーの考え方に変化はありましたか?
私たちの世代は一生懸命トレーニングするのは当たり前だけど、リカバリーに対する知識というのが、今思うとものすごい低かったと思います。試合が終わったからといってお酒を飲みに行ったり、次の日がオフだから今日は夜更かしできるという考えがあったりしました。 当時はそれが当たり前で、例えばアクティブレストと言われても、よくわからない概念で、「休みは休みでしょう」と思っていました。高校、大学、プロに行った頃はそのような意識で、リカバリーに対してそんなに理解をしていなかったけど、指導者になってみて、運動制約などを学べば学ぶほど、トレーニングと同等もしくはそれ以上にリカバリーは重要になっていると感じています。 それはフィジカル的なリカバリーだけでなく、メンタル的や頭の中のリカバリーもしないといい成長はないというのは確信になっています。ケガのリスクという面でもここ数年は筋肉系のケガはほとんどないです。打撲や捻挫など、どうしようもないケガはもちろんありますが。怪我のリスクという面でもリカバリーは本当に大事だと、指導者になって勉強をしてすごく感じました。
---パフォーマンスを高める上で、スキルの向上やフィジカルトレーニングなど、さまざまなことに取り組めると思うのですが、その中でリカバリーはどれくらい重要だと思いますか?
例えば重要な要素が、戦術・技術・体力・リカバリーという4つであれば、全部均等なぐらい体の理解が必要です。技術を磨くには体が動けなければいけないですし、その体を支えているのは万全な体の状態です。また技術は当然、頭の働きと繋がってるため、頭がリカバリーされていなければ、持ってるであろうスキルの発揮もできないです。 良いリカバリーがされている上にしかいいパフォーマンスがないと思っていますね。
---パフォーマンスを高める上で、スキルの向上やフィジカルトレーニングなど、さまざまなことに取り組めると思うのですが、その中でリカバリーはどれくらい重要だと思いますか?
例えば重要な要素が、戦術・技術・体力・リカバリーという4つであれば、全部均等なぐらい体の理解が必要です。技術を磨くには体が動けなければいけないですし、その体を支えているのは万全な体の状態です。また技術は当然、頭の働きと繋がってるため、頭がリカバリーされていなければ、持ってるであろうスキルの発揮もできないです。 良いリカバリーがされている上にしかいいパフォーマンスがないと思っていますね。
---現在は大学生に対して指導をしていますが、中高生が行うべきリカバリートレーニングはどんなものが考えられますか?
リカバリートレーニングではないのですが、自分の体に敏感になるというのが一番大事だと思います。「今日楽しかった。」で終わりではなくて、「ちょっとここ痛いな」「今日はちょっと疲れたな」「なんか頭が疲れてぼーっとするな」など、そういう自分の気づきに意識を向け、言語化してほしいです。なんとなく体は感じていても言語化しないと意識化されないので、自分のコンディションに気づくために言語化することが重要です。それはリカバリーの為だけでなく、その日のプレーの反省かもしれません。今の自分の体、心の状態に気づくのが大事じゃないかなと思っています。
---現在は大学生に対して指導をしていますが、中高生が行うべきリカバリートレーニングはどんなものが考えられますか?
リカバリートレーニングではないのですが、自分の体に敏感になるというのが一番大事だと思います。「今日楽しかった。」で終わりではなくて、「ちょっとここ痛いな」「今日はちょっと疲れたな」「なんか頭が疲れてぼーっとするな」など、そういう自分の気づきに意識を向け、言語化してほしいです。なんとなく体は感じていても言語化しないと意識化されないので、自分のコンディションに気づくために言語化することが重要です。それはリカバリーの為だけでなく、その日のプレーの反省かもしれません。今の自分の体、心の状態に気づくのが大事じゃないかなと思っています。
おわりに
今回は筑波大学蹴球部の組織やTENTIALとの活動について筑波大学蹴球部の小井土正亮監督にお話をして頂きました。 筑波大学蹴球部は部員の強みを活かし、学問とサッカーを繋げてTOPチームの勝利に部全体で貢献する組織であることが理解できたと思います。 また最後には小井土監督のリカバリーに対する考えもお話していただき、リカバリーの重要性についてもお伺いしました。 小井土監督、ありがとうございました。
今回は筑波大学蹴球部の組織やTENTIALとの活動について筑波大学蹴球部の小井土正亮監督にお話をして頂きました。 筑波大学蹴球部は部員の強みを活かし、学問とサッカーを繋げてTOPチームの勝利に部全体で貢献する組織であることが理解できたと思います。 また最後には小井土監督のリカバリーに対する考えもお話していただき、リカバリーの重要性についてもお伺いしました。 小井土監督、ありがとうございました。