ー最近、一番の挑戦はなんでしたか?
久しぶりに「経営書の教科書」を書いていることと、YouTubeチャンネルを始めようと思っていて、それに向けて、今頑張っているところです。
ー岩田さんのキャリアを考えると、意外です。
本当に色々な経験をしてますからね。日産時代はセールスマンや購買、財務をやって、途中でビジネススクールにも行けるチャンスがありました。
その後はコンサルティング会社で勤務して、コカ・コーラやアトラスにも入って、V字回復をさせることができて。
ボディショップもスターバックスも、そうした実績があったからお声がけしていただくことができたと思っています。
ーそうして独立。
1年の充電期間を経て、ですね(笑)。
本を書いたらベストセラーにもなったので、今では仕事の幅がずいぶん広がっています。早稲田大学のビジネススクールで教えたり、学習塾の社外取締役、投資ファンドのアドバイザーやドローンの会社、べーグル屋さん、ラーメン屋さんなどのベンチャー企業のサポートや社長へのコーチングまで、本当に色々なことをやっていますよ。
ーだからこそ、YouTubeチャンネルの話は驚きで……。
私自身のミッションは、リーダーを育てること。
私は日本が大好きで、日本人も大好きです。この素晴らしい日本を、もっとよくするにはいいリーダーを増やさないといけないと感じています。
そうして私にできることはなんだろう?と考えて、今までの経験を本に書いたり、ビジネススクールで教えたりと、たくさんの手段で「リーダーを育てる」というミッションを達成しようとしています。で、より多くの人にアプローチのできる方法がYouTubeだったんです。
ーでも、挑戦をすれば、必ず失敗をする可能性もあります。
ですね。今、世の中の流れがFacebookからInstagram、そしてYouTubeとより視覚的な情報が消費されるようになってきています。自分のコンテンツや思いをより多くの人に届けるために、失敗するかもしれないですが、挑戦する価値はあるな、と。当然ひとりではできないので、外部の人に手伝ってもらおうと思っています。
ー頭では理解できても、実際はちょっと……。
「いつも元気ですね」「前向きですね」と言われるタイプなのですが、テンションが下がっている時もあるんですよ(笑)。
ーごめんなさい、岩田さんの口調などを考えると全く想像できないです(笑)。
意外と分かりやすいと思うんですけどね(笑)。
でも、その乗り越えてきた経験が、私の強みかもしれません。挫折や失敗は何度もしているし、ノイローゼになったこともあります。その度にいろいろな人のサポートもあって、立ち上がってこられました。
一番大変だったのはビジネススクールの入学前で、勉強と仕事の両立で……。とにかく大変だったんです。当時の写真を見返したら、もう、目がうつろですよ(笑)。
ー誰もが経験するような失敗を、岩田さんもしていらっしゃるんですね。
もちろんです。私は特別ではありませんから。
失敗や挫折を乗り越えるために、多くの場合で言葉の力を借りています。言葉には不思議な力があります。言葉に何度も救われてきました。
ーなるほど。
モレスキンのノートと万年筆を使って、好きな言葉を綴っているんですよ。Mr.Childrenの『彩り』や『未完』なんて、私が大切にしている「ミッション」について歌っているな、と。
まあ、勝手に考えているだけですけど(笑)。
ー失敗した時には、そうやって前向きになれるのが大切なんでしょうね。
そう、精神的に疲れている時は、ゆっくり休めばいいんです。好きな音楽を聴いたり、好きな本を読めばいい。言葉は、違う気分の時に聞けば、違う元気をもらえて。言葉の力って偉大だな〜、と。
また、好きな言葉を書き留めることによっても心が落ち着くし、それが溜まっていくと自分の宝物にもなりますよ。
ー座右の銘を持っている感覚と似ているかもしれませんね。
人間と動物の一番の違いは言葉を持っていることです。言葉によって目の前にいる人が何かを考えるきっかけになったり、刺激になったり……このインタビューをチェックしてくれる人にも同じようなことをしてあげられたら嬉しいですね。
ー私は岩田さんのお話を聞いて、感動した言葉はメモ帳に記録していこうと思いました。
今までは著書やFacebookを通じて自分のメッセージを伝えていましたが、これからは動画でも伝えていければと思っています。ただ動画の撮影や編集をどうするかを悩んでいるのですが。でも、設備投資だけは終わりました。
ーえ!? もうカメラやマイクも購入済み?
そうなんです。
この前、パソコンを買い替えようと思って、ネット・コンテンツ業界で働いている友人とzoomで話していた時に、「商売道具にはお金をかけないといけませんよ」と言われて、ハッとしました。それでデスクトップとラップトップのパソコン2台、マイク、カメラ、証明、カーテン一式を買いました。
趣味のオーディオでは高いお金を出しているのに、仕事道具への投資をケチるのはよくありませんね。
ー参考にしてみようと思います。
高校野球をしていた時、父親が競馬で儲けて、当時プロが使うような高級グローブを買ってくれました。それで守備が格段に上手くなった経験があります。
でも、少々高くても、いい道具を買えば、何よりも気分が上がるのではないでしょうか。持っているだけでテンションが上がるのであれば、それは投資として、十分に価値がある気がします。
ーそうですね。
「TENTIAL」のインソールも同じことが言えそうですよね。少し高めの値段設定だけど(税抜7,980円)、ずっと使えて、足の健康づくりをサポートしてくれるのであれば、むしろ安いくらいです。
ーありがとうございます!
今のはちょっと、綺麗にまとまりすぎたので、誰かから突っ込まれそうですね(笑)。まあ、いいか(笑)。
ー最後に、自分の中でこれだけを貫いておけば挑戦できるという要素があれば、それが何かを教えてください。
いくつかあるけど、結局、私の場合は「ミッション(志)」とそれを支える言葉ですね。
自分がサラリーマンをやっている時でも、経営者になりたいという夢を持っていましたが、その時の状況はほど遠く、悩んでいました。
その時に、ゲーテの「人間は努力する限り迷うものだ」という言葉に出会いました。これには救われましたね。「たしかに何も考えていない時はノーテンキで悩まない。今自分は頑張っているからこそ悩んでいるのだ」と、自分を慰めることができました。もっとよくなりたい、もっと成長したい、もっと挑戦したい……そうした願望や野望があるからこそ、人は悩むのです。
振り返って自分の挫折経験から考えると、必要以上に無理をしないこと。ただ若い頃は少々の無理はすべきです。そうしないと成長しない。やはり1000本ノックにも価値があるのです。ただ最近は仕事や人に違和感を覚えたら、やんわりお断りするようになりました。
<プロフィール>
岩田松雄(いわた・まつお)
日産自動車で、生産、品質、購買、財務、販売などいろいろな分野での経験をする。外資系コンサルのジェミニでは、主にクライアントのトランスフォーメーション(リエンジニア リング)を指導。日本コカ・コーラでは、購買を通じ、コスト削減に大きな実績をあげる。経営者として、3期連続赤字のアトラスの構造改革実行と成長戦略の策定により黒字化、タカラでの子会社再編し、イオンフォレスト(THE BODY SHOP JAPAN)では、ブランドを再生し、売上・利益を倍増させた。スターバックスでは、新商品のローンチ、ニューマーケット開拓、新チャネル開拓を成功させ、再成長軌道に乗せる。経営において「人がすべて」の信念の下、人を大切にする経営を掲げ、 従業員のモチベーションアップを再生、再成長の原動力にしてきた。
「TENTIAL」のインソールを実際に使った岩田さんの感想はこちらから。