「1人でめちゃくちゃ追い込む。」誰もいなくなってからの3時間

フライングディスクを使ったアメリカ発祥のスポーツ、アルティメット。7人制で行い、サッカーと同じように45分ハーフでピッチを駆け回り、ゴールを狙う。 この競技で日本代表を引っ張るのが、田村友絵選手(29歳)だ。 大学入学後にアルティメットに出会い、2016年世界選手権、2017年ワールドゲームズと日本代表入り。次の目標は、2020年の世界選手権での「日本優勝」だ。 そんな彼女に、競技の魅力やトレーニングのこだわり、今後のスポーツ界の課題などについて語っていただいた。

2020.03.17


【PROFILE】

田村友絵(たむら・ともえ)

MUD(クラブチーム)所属のアルティメット女子日本代表選手。1990年3月5日生まれ、東京都出身。大学からアルティメットを始めると、2014年に日本代表に選出。よりレベルの高い環境を求め、強豪チームのMUDへ。MUDでは全日本アルティメット選手権大会優勝、第1回Queen’s cup 優勝などの結果を出し、チームでも日本代表でも活躍する。



「下手だからやりたかった」。大学に入って出会ったアルティメット



ーーアルティメットを始めたきっかけを教えてください。


田村:大学に入って、高校から一緒だった友人がアルティメットに興味を持って、ついていきました。



ーー大学からなんですね。


田村:それまでは野球やバスケットボールをしていました。父親が少年野球の監督なんです。



ーーお父様は仮面ライダーのスタントマンをされていたんでしたよね?


田村:そうなんです!でも私が小学生になる時にはそんなにバリバリやっていなかったので。そんなに息の長い職業ではないみたいです。



ーー話は戻って(笑)。大学でアルティメットに出会って、惹かれたというわけですね。


田村:一回体験会に入ったら「日本代表になれるよ」って言われて、「やっちゃう?」みたいな(笑)。けど、最初は全然投げられなくて、たぶん一番下手でした。でも、逆に「やってやろう」とも思えて、そこから日本代表目指して頑張っていったって感じですね。



「モチベーションのずれをなくす」強豪チーム主将の葛藤



ーー日本代表を目指して行く上でどのような壁や挫折などがありましたか?


田村:挫折っていう挫折はないですけど、葛藤はありました。本当にここ最近、プロ選手や意識の高い選手に会うことが多く、自分もそれに感化されて、「頑張らなくちゃ」と思うようになりました。けど、それからクラブチーム内での意識のずれが出てきてしまったというか、、、。



ーー意識のずれですか?


田村:モチベーションの高さが多分違うんですよね。プロだったら生活がかかっているのでどんどん上を目指してやるじゃないですか。でも、私のチームはプロチームではないので生活もかかっていない。なので、チーム内でのモチベーションの差が出てきてしまう。食事に気を遣えていなかったりとか、トレーニングをサボっていたりとか。それで動けていればいいんですけど、、、。



ーーそのような葛藤があるんですね。今のチームにはどんなきっかけで入ったのですか。


田村:元々、別のチームでプレーしていたんですが、“代表として頑張りたいなら、強豪チームできちんと努力すべき”というアドバイスをもらったので現在のチームに入りました。



ーーそれから、現在のチームに入ったのですね。アルティメットのチームは全国にどれくらいあるのですか?


田村:約50チームです。



「個人」から「チーム」へ。サポートの期待に応える責任



ーー強豪チーム、そして日本代表でプレーされていますが、結果を出さないといけないプレッシャーもあるかと思います。


田村:あんまりそれは感じないんですね。ですが、チームや協会へのサポートを自分を通して取ってくるというのが増えてきて、私個人へのサポートからチームのサポートに変わりました。個人であれば自分が頑張ればいいんですけど、チームとして結果を出さないといけないとなると、自分がもっとやらなくちゃいけないと思います。サポートしてもらっているのに結果が全然出ない時期が2~3年あったので、その時は結構落ち込みましたね。



ーー責任も大きくなりますね。今はいかがですか?


田村:全日本は優勝できましたけど、1回優勝しただけでは意味がないし、来年は世界選手権もあるので、そこでまた優勝という結果を残さなくてはいけないと思っています。それがプレッシャーというのだと、日々感じています。



ーーそのようなプレッシャーを感じる中でどのような瞬間にアルティメットを楽しいと感じますか?


田村:アルティメットって審判がいないんですよ。セルフジャッジでプレーするので、敵味方関係なくいいプレーがあった時にはハイタッチをしたりというのは、コンタクト競技ではなかなかないものだと思います。ダイビングキャッチのような“魅せるプレー”が多い競技なので、観客を巻き込んで、一体感が出るというか。試合自体に一体感が出るので、そういう面でアルティメットは楽しめる競技だなというのは、世界選手権やワールドゲームに行って改めて感じました。



無意識でもできる」が、試合でのプレーを左右する



ーー世界で勝つために、日々努力を積み重ねている田村選手。トレーニングのこだわりを教えてください。


田村:1人でやることです。誰にも見られないほうが集中できるんです。ジムに行くと人がいて気になるので、1人でめちゃくちゃ追い込む。トレーニングもそうだし反復練習もそうですが、意識しなくてもその動きができるようになれば、試合でも瞬間で判断できるようになると考えています。



ーーどの競技でもいえることですよね。どれくらい追い込むのですか?


田村:練習後、3時間残るときもあります。1人で誰もいなくなるまでやっています。100球は投げ続けますね。



ーーその日その日で行うメニューを徹底して追い込むんですね。


田村:いいプレーや得意なプレーを出すことももちろん大事です。でも苦手なことを人並み以上にすればさらに武器になるじゃないですか。だから出来ないことはなるべくなくしたいんです。



ーーフィジカルも重要になってくるのでしょうか?


田村:アルティメットは接触自体は禁止なんです。ですけど、世界の舞台だとやはりアメリカやコロンビアなど外国人はフィジカルが強く、最終的にパワープレーにもなるので、そこに負けないように体幹トレーニングはたくさんしています。ウエイトや筋力トレーニング系はそんなにやってなくて、自重で体幹を鍛えています。フライングディスクを遠くに飛ばすには筋力よりは体の軸が大事なので。



24時間をどう使う?体のケアの効率化



ーー試合やトレーニング以外にも、体のコンディションを整えることも重要だと思います。


田村:女子には実業団はなく、みんな仕事をしながらプレーしているので、体のコンディショニングは非常に大事になります。しっかり食べる。早く寝る。食事と睡眠ですね。



ーー仕事をしながらだと、どんなスケジュールを送っているのでしょうか?


田村:朝は7時半に起き、仕事に向かい、6時半か7時くらいに仕事を終えて、トレーニングに行きます。そこからトレーニングを3時間して、帰宅し11時にはもう寝ています。早く寝るのが大事なので、どう効率を上げて早く寝るかというのは帰り道で考えていますね。あと、夏場は朝に10km走るときもあります。夜はじめじめしているので、朝のほうが気持ちいいですよ。



ーー結構体力いるんですね。


田村:めちゃめちゃ走ります。サッカーと同じぐらいか、ポジションによってはそれ以上か。コートの大きさはサッカーの横の幅が短い感じで、そこにサッカーよりも少ない7人でプレーします。また、ドリブルもないので、ずっと走ってる状態なんです。ですが、日々のトレーニングで毎日10kmは走っているので、競技中はスタミナは気にならないです。



ーー食事面はどんなことに気をつけていますか?


田村:タンパク質を多く摂るようにしています。卵やチーズとかですね。試合前は補食としてカステラで糖質補給をしています。ですが、昔はセブンイレブンの「カリカリトリプルコンソメ」が大好きで、お菓子やアイスばっかり食べていたんですよ(笑)。けど控えるようにしました。今はジャンクなものを食べると具合が悪くなってしまいます。



怪我をしている人にこそ。歩く怖さをなくすインソール



ーーコートを走り回り、足をたくさん使う田村選手に、日常用のインソール「TENTIAL ZERO」を履いていただきましたが、どのような効果を実感できましたか?


田村:私はスパイクを履いているとかかとが痛くなるんですけど、普段のトレーニングシューズに【TENTIAL ZERO】を入れるとそのかかとの痛みが少し和らいだ感じがしました。インソールの作りがしっかりしているので守られている感覚もありましたね。あと、私は前十字靭帯を切っているのですが、フットワークの動きの練習の時は指のグリップが良くなったので、怖さが半減しました。



ーーどんなシーンで履いていますか?


田村:10kmランの時にトレーニングシューズの中に入れて使っています。あと、通勤で20分歩いているので、その通勤靴にも使っています。



ーー今日もスニーカーを履かれていますが、これで通勤されているんですね。20分歩くのは大変そうです。


田村:オシャレスニーカーって、別に通勤のために作られてないから、あんまり歩きやすくないじゃないですか。でもかわいくてお気に入りなので履きたいんですよね(笑)。ですが、【TENTIAL ZERO】のおかげで歩きやすさは増しました。



ーーどんな人におすすめしたいですか?


田村:もちろん皆さんにおすすめしたいですけど、特におすすめしたい人は足に怪我をしている人です。足の怪我をかばいながら歩くと足の筋肉やバランスに左右差が出てしまいます。ですが、【TENTIAL ZERO】を履けば足の痛みをしっかり和らげてくれるので、その心配もありません。また、運動をしている人は指のグリップが良くなるし、止まったり踏みやすくなると思います。




スポーツ界の発展のためには「きっかけ作り」を。



ーー田村選手はアルティメットに出会って10年以上が経ち、トップアスリートとして走り続けていますが、これまでに見えてきたスポーツ界の課題があれば教えてください。


田村:競技と企業のコラボです。私自身、仕事とスポーツを両立していますが、セカンドキャリアに困っているプロ選手ってたくさんいるじゃないですか。アスリートって選手寿命自体は長くない。だから企業がもっとそういった人たちを取り込んでいくほうが、スポーツ自体も盛り上がるし企業も盛り上がるのではないかと思います。アスリートが企業ともっとイベントなり何かを一緒にやって、最終的にそこに就職するなど、何か道筋を作ったほうが、選手としても企業としてもいい形が取れるのではないかと思うんですよね。一生懸命何かに打ち込んでいる人って、その競技だけではなくてもやり遂げる力を持っているんですよ。



ーー確かに、何かをやり遂げる力は、企業の中でも発揮できそうですね。


田村:選手って現役でも不安を抱いている人が多くて。きっかけがあれば動くけど、きっかけを知らずに生きていることもある。それってもったいないな、と思います。



ーーきっかけを作って、企業と競技をつないでいく。スポーツ業界の発展へのヒントとなりそうです。


田村:競技と仕事の両立をしていると、仕事のつながりで競技への支援をしてもらったり、逆に競技のつながりで仕事の役に立ったりということがあります。チームスポーツをやっていたらコミュニケーション能力もあるし、きっかけがあればつながっていく。でも、競技だけを続けている方たちは、その出会いがなかなかないと思うんです。だから企業の皆さんにもぜひそのきっかけを差し伸べてもらいたいな、と思います。



(取材・文=久下真以子)

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